研究分担者 |
入口 敦志 国文学研究資料館, 文学資源研究系, 助手 (80243872)
山田 直子 国文学研究資料館, 文学資源研究系, 助手 (20151011)
原 正一郎 国文学研究資料館, 複合領域研究系, 助教授 (50218616)
中島 和歌子 北海道教育大学, 教育学部札幌校, 助教授 (00243288)
栃尾 武 成城大学, 文芸学部, 教授 (70082477)
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研究概要 |
本年度も一年間の研究活動をもとに研究論文をまとめた報告書を作成した。 また、情報学においても、本プロジェクトによる基盤データとなる資源の蓄積の取り組みは注目されており、本書に所収される論文が1章分の過半にもわたって、オントロジの技術書に引用されたことは、既存の人文科学研究にとっても画期的なことであった[オントロジ技術入門,AIDOS編[将来型文書統合システム標準化調査研究委員会],pp106-108,2005.9]。その意味においても、本プロジェクトによる和漢古典学における「オンシロジ構築」への取り組みが、情報科学分野におけるこのような研究資源の重要性を喚起し、発信する希有なケースとなり得たことは特筆されるべき評価といえよう。研究の総仕上げとして、開発を続けてきたデータベースソフトは、無事に配布の段階にまでこぎつけ、これまで古典世界における分類用概念語の収集・整備に努めてきた。本研究の遂行に際して、整備作業を終えたオントロジデータには、大部なものでは、例えば『古事類苑』(約42,000件)・『和漢三才図会』(約13,000件)・『淵鑑類函』(約9,000件)などを始めとして、データベース化を果たしたオントロジは約30タイトルに及んだ。 その大半は、儒学系のものとなったが、それはオントロジの構造が比較的整斉されたものであったことによる。しかしながら、仏教系類書の場合は、不要語が目次に混在しているため、それを整合性のある構造に再整斉する必要があるため、定型的なフォーマットまで落とし込むまでには至らず、時期フェーズの課題として持ち越されることとなった。 なお、本研究で培ったデータと研究をもとに、『古事類苑』データベースやGISシステムとの融合に向けての取り組みを始めている。これらの構想は時期フェーズに入ってのことではあるが、その実現により、和漢古典学のオントロジモデルは新たな飛躍を迎えることとなろう。
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