研究課題/領域番号 |
15300083
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 国文学研究資料館 |
研究代表者 |
大友 一雄 国文学研究資料館, 史料館, 教授 (30169007)
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研究分担者 |
渡辺 浩一 国文学研究資料館, 史料館, 助教授 (00201179)
山田 哲好 国文学研究資料館, 史料館, 助教授 (70220390)
高橋 実 国文学研究資料館, 史料館, 教授 (20296180)
加藤 聖文 国文学研究資料館, 史料館, 助手 (70353414)
後藤 敏芳 国文学研究資料館, 史料館, 助手 (90332139)
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キーワード | アーカイブズ / 史料所蔵機関 / 古文書 / 記録 / 図書館 / 文書館 / 博物館 / 公民館 |
研究概要 |
本研究は、わが国における古文書・記録類など文字資料群の所在と、それらの公開に関する経緯の解明を目的とする。すなわち、我が国における文字資料類は、文書館(アーカイブズ)の設置が遅れたこともあり、図書館・博物館・公民館など様々な機関に散り散りに収蔵され、各機関が如何なる情報を有するものか、把握しにくい状況にある。情報の集約は学術情報の基盤整備という面でも重要である。 今年度は、年度当初の研究計画にしたがい、北海道・東北・関東を対象に作業を進めた。課題ごとの進捗は次の通りである。 (1)古文書・記録類の保存公開機関を取り調べ、それらの機関が公開する文書・記録類の名称・内容情報などを収集した。収集作業は、インターネット、アンケート、現地調査によった。その結果、北海道・東北・関東の都道県において、収蔵機関946機関、公開文書群4939件を確認した。一部、所蔵機関の都合により、調査を果たせなかった箇所もあるが、都道県の文書館・図書館をはじめ、関係機関の好意的な情報提供により、以上のような多数の情報を集約することができた。なお、より質の高い情報の集約には現地調査が不可欠であり、次年度以降は何らかの対策が必要と考えられた。 (1)現地調査などを通じて、古文書・記録類が収蔵された経緯を調査した。地域の図書館・公民館・博物館などが歴史文化資料の保存機関として、どのような役割を果たしてきたものか、その成果と課題に関する検討が狙いである。分析はいまだ途中であるが、都道府県レベルで捉えた場合、文書・記録類の保存公開状況は、文書館の存在が保存規模や保存システムのあり方を強く規定する。図書館・博物館では、資料の受入は偶然的な場合が多く、計画的な受入システムも有していない。行政上の役割を終えた公文書類を歴史資料として定期的に受け入れる公文書館との大きな違いである。行政に止まらず文書・記録類の組織的な保存公開のシステムの整備がこれからの情報環境を考える上で重要といえる。 (3)集約中の全国の機関情報と資料群情報は、当館HPを利用する予定であるため、公開を円滑化するためのシステムのあり方について検討した。検討に基づき次年度にデータ生成のための処理を含めた公開のためのシステムを開発予定である。なお、当初の計画通りシステムは当館がすでに有している「史料情報共有化データベース」をベースに整備する予定である。
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