研究課題
基盤研究(B)
本研究は、我が国における古文書・記録類など文字資料群の所在と、それらの公開に関する経緯の解明を目的とした。具体的には、(1)日本全国の古文書・記録類の保存公開機関を取り調べ、それらの機関が公開する文書・記録類に関する情報を収集した。作業は各機関刊行の文書目録、インターネット提供情報を確認のうえ、アンケートと現地調査を行う方法を取った。アンケートを発送した機関数は3541機関、1万3000件ほどの回答を得た。所蔵機関の都合により、調査を果たせなかった箇所も存在した。検討の結果、日本における記録史料の保存が図書館・博物館・文書館などで行われ、その比重は、図書館から博物館へ、博物館から文書館へと移っていること、また、図書館・博物館力どで収蔵する場合、保存・公開のための体制が不十分なものであることなどが明らかとなった。また、町村合併が急速に進行しているが、それに伴い地域の所蔵機関が廃館・休館に追い込まれるケースが広く見られた。新しい体制整備が必要であるといえる。(2)研究成果発表の研究集会「戦後の記録史料保存と現在-アジアの記録史料保存の歩みのなかで考える-」を開催した(2005年10月27日、会場国文学研究資料館)。報告タイトル・報告者は次の通りである。韓国における記録史料の保存と公開(李〓龍)、インドネシアにおけるアーカイブズ活動の歴史と現在(前川佳遠理)、日本における記録史料の保存と公開(山田哲好)、記録史料保存公開機関の現状(大友一雄)、地方文書の収集と保存-鶴岡市郷土資料館の場合-(今野章)、大分県における史料収蔵機関の現状と課題(平井義人)。(3)アンケートによる機関情報と史料群情報を当館HPを利用して公開した。公開点レコード数は、1万3000余。また、研究成果報告書(600頁)を刊行し、関係機関に配布した。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (6件)
国文学研究資料館紀要アーカイブズ研究篇 第2号
ページ: 95-109.
ページ: 67-93.
史資料ハブー地域文化研究 7号
ページ: 3-13.
The Bulletin of the National Institute of Japanese Literature Archival Studies Vol.2
ページ: 95-109
ページ: 67-94
Journal of Centre for Documentation & Area-Transcultural Studies No.7
ページ: 3-13