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2003 年度 実績報告書

ものの聴覚的な理解に関する研究―オノマトペを利用して

研究課題

研究課題/領域番号 15300087
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

小嶋 祥三  慶應義塾大学, 文学部, 教授 (70027499)

研究分担者 泉 明宏  京都大学, 霊長類研究所, 助手 (20346068)
キーワードオノマトペ / 機能脳画像 / 失語症 / 言語獲得 / チンパンジー
研究概要

オノマトペを利用して、ものの聴覚的な理解を以下の4点を検討している。1)機能的なMRIによる実際音、オノマトペ、名詞の聴覚皮質における受容について、2)主に失語症患者で、これらの音響刺激の理解はどのようになっているか、そして実際音と名詞の中間に位置するオノマトペは、言語障害の改善に利用可能か、3)日本人の幼児は一般に名詞の前に実際音、オノマトペを学習する傾向があるが、それをpreferential looking法で捉えられるか、4)1頭のチンパンジーは実際音を理解するが、名詞は理解しない。では、オノマトペの形で、チンパンジーにヒトの言葉を理解させることは可能か。
1の脳画像研究に関しては、刺激の選定を終え、現在日本大学医学部で予備テストを実施中である。〓月半ばに本テストに入る予定となっている。この実験を実施する前に近赤外分光法(NIRS)によるテストを実施した。名詞をコントロール、オノマトペをテスト刺激として、聴覚野の酸素化、脱酸素化ヘモグロビンの変化を測定した結果、オノマトペで聴覚野の活動の上昇が見られ、より多くの処理が行われることが分かった。2.については、Visual Basicによる課題が完成し、健常者に対してテストを行った。使用した音響刺激に音韻的、意味的に類似したもの、動物を含む映像を選択刺激として提示した(4選択肢)が、健常者は100%の正答率だった。済世会中央病院で、主に失語症患者でテストすることになっている。3.については来年度に実施する予定である。現在、乳幼児の認知機能を検討する基盤整備に努めている。4.については、オノマトペの理解が75%弱だったため、刺激を動物とその泣き声、オノマトペ(擬声語)を利用し、さらに刺激セットを減少させて検討した。しかし成績の改善はなかった。チンパンジーの名前という最も彼らに身近で、日常生活で理解されていると思われる刺激でも、成績はチャンスレベルだった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Izumi, A., Kojima, S.: "Matching vocalizations to facial gestures in a chimpanzee (Pan troglodytes)."Animal cognition. in press.

  • [文献書誌] Kojima, S.: "Experimental analyses of body image in the chimpanzee."Primates. 44. 231-238 (2003)

  • [文献書誌] Kojima, S., Izumi, A., Ceugniet, M.: "Identification of vocalizers by pant hoots, pant grunts and screams in a chimpanzee."Primates. 44. 225-230 (2003)

  • [文献書誌] 小嶋 祥三: "声の発達と進化"神経研究の進歩. 47. 667-674 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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