研究概要 |
本研究の主題である,さまざまな点過程データに共通して適用可能なモデル構築手法開発のため,以下のようなデータに関して研究をすすめた. 1.ミミズの神経細胞発火を蛍光染色により観測したデータと筋電位時系列観測データからの神経細胞ネットワーク同定を目的としてモデル構築をおこなった.具体的にはネットワークを構成する点過程が直接観測できないという状況でのいわば,隠れ点過程モデルを構築した.筋電位時系列との関係をつける部分は現在さらに研究を進めている. 2.美容院の各顧客の来店日データに関する点過程を構築した.この場合の強度関数は,通常と違い,来店と同時にゼロに戻り,その後単調に増加する関数を考える必要があり,その共変量としては,年齢,自宅までの距離,割引券の配布,季節要因などさまざまな要因が考えられたが,結果的に有意であったのは,担当者の違いであることが判明した.これは,適切な点過程モデル構築の有効性をしめしている. 3.瞬時ドル為替レートに対するマーク付点過程モデルの有効性をさらに検証するため,瞬時ユーロ為替レートに対しても同様のモデル当てはめをおこなったけっか,ほぼ同様のモデルが当てはまることが判明した.為替レート以外の金融商品に関しても現在検証中である.
|