研究課題/領域番号 |
15300116
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
野口 光一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10212127)
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研究分担者 |
戴 毅 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (20330441)
西崎 知之 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00221474)
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キーワード | DRG / 痛み / 細胞内シグナル / MAPK / p38 / TRPA1 |
研究概要 |
本研究計画の目的は、一次感覚ニューロンにおけるMAPKなどシグナル伝達因子の疼痛伝達時の動態とその機能的意義を解明する事である。昨年度、一昨年度は、リン酸化ERK及びp38MAPKに焦点をあて、複数の論文を報告したが、今年度はもう一つのMAPKであるERK5に着目した。さらに、p38リン酸化を用いて一次知覚ニューロンにおける神経栄養因子受容体p75に関して、新しい所見を発見し発表した。 (1)今年度の研究により、big MAPKとして知られているERK5が、末梢組織への疼痛刺激後2分で、DRGニューロンの小型から中型細胞で、そのリン酸化を亢進することを見いだした。痛覚刺激としては、Capsaicin注射や、熱及び冷覚刺であり、強度依存性にERK5のリン酸化が見られた。これらのリン酸化ERK5発現ニューロンは、TRPV1やTRPA1と高い共存率を示した。ERK5のアンチセンスオリゴの投与では、カプサイシ投与後の熱性痛覚過敏が抑制されたが、機械的過敏性は抑制されなかった。これらの結果はまとめて、Journal of Pharmacology and Experimental Therapeuticsに発表した。 (2)ニューロパチックペインモデルにおけるERK5の動態も検討した。末梢神経障害による本モデルでは、一次知覚ニューロンでの発現増加以外に、脊髄マイクログリアでの発現が見られた。疼痛行動における役割に関するデータと合わせて、Journal of Neurochemに採択された。 (3)TrkA陽性のDRGニューロンにおけるp75受容体の動態と、疼痛モデルにおける変化、行動への役割を検討し、Journal of neuroscienceに発表した。
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