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2006 年度 実績報告書

ゲノム・発生・行動を統合するゼブラフィッシュ巨大脳細胞の遺伝学

研究課題

研究課題/領域番号 15300117
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

八田 公平  独立行政法人理化学研究所, ボディプラン研究グループ, 研究員 (40183909)

キーワードゼブラフィッシュ / マウスナー細胞 / 形態形成 / Kaede / Dronpa / イメージング / 成長円錐 / 二光子共焦点顕微鏡
研究概要

マウスナー神経細胞は、魚類、両生類の後脳第4節に左右一対存在し、神経分化や軸索伸長・シナプス形成が、発生の非常に早い時期におこることが知られている。軸索は、まず腹側正中線に向けて十字に交叉した後、2本の内側縦走神経束にそって、尻尾まで伸長する。これらの過程は、初期胚のマウスナー細胞を染め出すモノクロナル抗体によって観察できる。
一方、生きた状態での観察においては、蛍光蛋白遺伝子を導入したトランスジェニックゼブラフィッシュを使用するが、複数の神経細胞が同一の蛍光を発すると、一つ一つの神経細胞の形態を明らかにするのは容易ではない。そこで、これまでに、UVや紫色光を照射することによって、蛍光色が緑から赤にかわる蛍光蛋白KAEDEをもちいて、マウメナー細胞の観察を行えることを示した。しかしながら、KAEDEの蛍光色の光転換は非可逆的であり、複数の神経細胞の形態を同一個体内で調べることは難しい。そこで、今回、強い青色光によって蛍光が消失し、UVや紫色光を照射することによって復活する蛍光蛋白DRONPAをトランスジェニックによって神経系で発現させた。青色光で全ての蛍光を消し、次に、二光子共焦点顕微鏡で、脳の奥にある細胞体の蛍光だけを復活させる。すると、その蛍光は軸索や樹上突起などを拡散し、その神経細胞の形態がわかる。この作業を複数の神経細胞について繰り返し、それぞれにことなる疑似色をつけて再構築すると、神経回路を単細胞レベルで解析したことになる。タイムラプスをつくることも可能である。実際、この方法を用いて、マウスナー細胞を可視化することに成功した。
このような手法はマウスナー細胞とその周辺の神経回路を生きた状態で解析するために役立つ。突然変異体や遺伝子Knockdown個体におけるマウスナー細胞の形態研究において、よりダイナミックな側面における遺伝子産物の役割が明らかになることが期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Visualizing neurons one-by-one in vivo : optical dissection and reconstruction of neural networks with reversible fluorescent proteins.2006

    • 著者名/発表者名
      Shinsuke Aramaki, Kohei Hatta
    • 雑誌名

      Developmental Dynamics 235(8)

      ページ: 2192-2199

  • [雑誌論文] Cell tracking using a photoconvertible fluorescent protein.2006

    • 著者名/発表者名
      Kohei Hatta, Hitomi Tsujii, Tomomi Omura
    • 雑誌名

      Nature Protocols 1(2)

      ページ: 960-967

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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