研究概要 |
1.NIsはPolyglutamine鎖の病的延長を含むものの、NIsを有する細胞は有さない細胞に比してその核の断面積が統計的に有意に大きい点で、疾患に拘らず共通することを示した(神経進歩2004:48:334-345)。Polyglutamine鎖の延長が核内封入体を形成して細胞を障害するというこれまでの仮説では説明できない形態像が、剖検脳には共通して見られ仮説の再検討を要する。 2.NIsを有するCAGrepeat病の中で、最も頻度の高いMachado-Joseph病(MJD、Spinocerebellar ataxia type3)は1893年にMarie失調症として記載された家系と臨床病理像に類似点が多いとされてきた。1943年にフランスでMarie失調症として剖検された例の臨床病理像を再検討しMarie失調症とMJDは区別できないことを実証的に示した。(Arch Neurol 2004:61:784-790) 3.タウ蛋白は病的修飾をうけて細胞内に沈着するが、脳梗塞ではtau2エピトープが燐酸化を受けることなく修飾され、線維形成をしないまま沈着する点で変性性タウオパチーとは異なることを示した。歯梗塞で病的修飾を受けたtau2エピトープは界面活性剤の存在下でconformationを変化させ、可逆的に抗体との反応性を失う(Glia 2004:45:180-187)。通常のタウオパチーと区別してtautwopathyと呼ぶべきことを提唱した。Tau蛋白の病的沈着より形成される封入体には14-3-3 proteinsが共局在することをアルツハイマー神経原線維変化(Acta Neuropathol 2004:108:279-286),ピック小体病(Neurosci Lett 2004:371:215-219)で示した。
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