研究課題
脊髄小脳変性症(SCA6)の原因遺伝子産物であるCaV2.1チャネルの神経細胞内における局在化のメカニズムを明らかにすることを目的に、CaV2.2チャネルにおいて最近見出され、さらにはCaV2.1チャネルにおいてもよく保存されているカルボキシル末端側の特徴的配列がCaV2.1チャネルにおいても同様、局在性を決定しているのかどうか、そして脊髄小脳変性症(SCA6)の原因であるカルボキシル末端側におけるポリグルタミン伸長がチャネル局在性へ影響を与えるのかどうかを検討したところ(1)CaV2.2チャネルにおいて局在性を決定していると同定され、CaV2.1チャネルにおいてもよく保存されている"PXXP"モチーフ、"DXWC-COOH"モチーフの欠損あるいは変異が局在性に影響を与えないこと、(2)SCA6患者小脳プルキンエ細胞の胞体内にCaV2.1チャネルの凝集物が見出されており、ポリグルタミン伸長のチャネル局在性への影響が考えられたが、SCA6を発症する長さのポリグルタミン伸長を加えたチャネルにおいてもその局在性に差異は認められないことが明らかとなった。以上の結果は、CaV2.1チャネルが、CaV2.2とは異なったメカニズムで局在性を決定していること、さらにSCA6変異がチャネルの局在性に影響を与えないことを示唆する。しかしながら本実験系では初代培養海馬神経細胞に種々変異CaV2.1チャネルを導入することにより行なわれたものであり、SCA6変異に関しては今後プルキンエ細胞を用いた実験も重要となる。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (3件)
Genes to Cells 10
ページ: 87-96
Circulation Research 94
ページ: 1242-1248
Eur.J.Neurosci. 20
ページ: 3516-3519