研究課題/領域番号 |
15300127
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
高橋 正身 北里大学, 医学部, 教授 (10318826)
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研究分担者 |
高垣 洋太郎 北里大学, 医学部, 教授 (50281324)
中村 和生 北里大学, 医学部, 助教授 (40189030)
東 貞宏 北里大学, 医学部, 助手 (80348507)
片岡 正和 信州大学, 学部, 助教授 (90332676)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | EGF / NGF / IGF-1 / 成長因子 / 神経伝達物質 / 開口放出 / マイクロドメイン / リン脂質 |
研究概要 |
IGF-1、NGF、EGFなどの成長因子やサイトカインが、シナプス前性機構である、神経伝達物質放出をどの様な機構で制御しているかを明らかにするために、神経由来の株化細胞や脳組織を用いて研究を行った。 IGF-1、NGF、EGFはみなレセプター型チロシンキナーゼを介して作用を現す。その下流のシグナル系も多くの共通点を持っているが、本研究ではIGF-1とEGFおよびNGFの間にはその機構に大きな違いが存在することをみいだし、特に脂質キナーゼであるPI3キナーゼの作用機構が異なっていることを明らかにすることが出来た。このような成果は成長因子やサイトカインによる神経伝達物質放出制御には、細胞膜脂質が重要な役割を果たしていることを示唆している。このため単離した細胞膜標品と画像解析法を組み合わせた解析を行ったところ、神経伝達物質放出には細胞膜のPIP2マイクロドメインが重要な役割を果たしていることを明らかにした。 開口放出に不可欠なSNAREタンパク質の中でSNAP-25タンパク質はパルミトイル化によって細胞膜に組み込まれており、その局在制御に細胞膜のマイクロドメイン(ラフト)が関わっていることが示唆されている。SNAP-25にはパルミトイル化の異なる2種類のアイソフォームが存在するが、異なるSNAP-25タンパク質が脳内でどのように分布し、どのような機能分担をしているかは明らかではなかった。本研究ではSNAP-25アイソフォームの特異抗体を作成しその脳内局在を調べ、SNAP-25アイソフォームが脳内で際だった局在の違いを示すことを明らかにした。 これらの研究を通じて、神経伝達物質放出やその制御には細胞膜のマイクロドメインが重要な働きを担っており、サイトカインや成長因子による制御機構の一つとして、マイクロドメインの脂質組成を変化させる機構が存在する可能性を明らかにすることが出来た。
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