研究課題/領域番号 |
15300141
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
庫本 高志 京都大学, 医学研究科, 講師 (20311409)
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研究分担者 |
赤池 昭紀 京都大学, 薬学研究科, 教授 (80135558)
桑村 充 大阪府立大学, 農学自然科学研究科, 講師 (20244668)
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キーワード | ラット / 疾患モデル / 行動異常 / 難聴 / 常染色体劣勢遺伝 / 連鎖解析 / 遺伝子マッピング / ポジショナルクローニング |
研究概要 |
(WTC-dfk x ACI)F2交雑子を1,002匹作出した。行動異常と遊泳不能を示すdfk/dfkホモ個体242匹からゲノムDNAを抽出し、dfkのマッピングに用いた。全ゲノムスキャンを行うために、36個体分のdfkホモ型個体DNAプール、WTCおよびACIのゲノムDNAをそれぞれ鋳型として、全ゲノムに散在する75個のSSLPマーカーについて、PCRによるタイピングを行った。その結果、dfk座位は、第1染色体上に位置すると推定された。次いで、dfk座位を詳細に決定するために、第1染色体上のSSLPマーカー18個について、全dfkホモ個体242匹のジェノタイピングを行った。決定した遺伝子型を連鎖解析用コンピュータプログラムMapmanagerを用いて解析し、D1Rat129-(1.0cM)-dfk-(0.2cM)-D1Wox9の位置にdfkをマップした。ラット-マウス遺伝子比較地図から、dfk座位はマウス第7番染色体のテロメア領域と第19番染色体のセントロメア領域に相当することが判明した。これら領域内に存在する行動異常に関連する遺伝子として、第7番染色体にFgf3、Fgf2、Hmx2、Hmx3、Kcnq1、第19番染色体にTcrg1が挙げられた。これらをdfkの候補遺伝子として考え、WTC-dfkラットにおける遺伝子変異の検索を開始した。 Dfkラットの聴覚異常と運動平衡失調の原因となる病理所見を見出すために、dfkラットの内耳の病理組織学的解析を行らた。Dfkホモラットでは、Reissner膜の虚脱、血管条の萎縮、Spiral ganglion cellの減数、外有毛細胞の消失、指節細胞の腫大が認められ、これらの病理がdfkラットの異常表型の原因と考えられた。
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