研究課題/領域番号 |
15300141
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
庫本 高志 京都大学, 医学研究科, 講師 (20311409)
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研究分担者 |
桑村 充 大阪府立大学, 農学自然科学研究科, 講師 (20244668)
赤池 昭紀 京都大学, 薬学研究科, 教授 (80135558)
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キーワード | ラット / 難聴 / 行動異常 / ポジショナルクローニング / 突然変異 / コアイソジェニック |
研究概要 |
前年度特定したdeafness Kyoto (dfk)の候補遺伝子Fgf3、Fgfr2、Hmx2、Hmx3、Kcnq1、Tcrg1について、ラットゲノムデータベースを利用して、各遺伝子のcDNA配列をin silicoで決定した。これらの配列に基づきRT-PCR用のプライマーをデザインした。WTC-dfkラットと対照系統WTCラット脳からmRNAを精製し、cDNAを合成した。このcDNAをテンプレートとしてRT-PCPを行い、明確なPCR産物が得られるよう条件設定を行った。 WTC-dfkラットの表現形質をより詳細に調べるために、一律に設定した項目についての特性検査を実施した。これには、体重、機能観察総合評価、自発運動量、受動的回避学習、血圧、心拍数、体重、血液生化学的検査、血液学的検査、尿量、尿中電解質、臓器重量の109項目が含まれる。WTC-dfkとWTCラットについてこれら109項目の検査を行い、検査値の有意差検定を行った。その結果、WTC-dfkはWTCに比べ、低体重、高血圧、低尿中塩化物イオン濃度、高血中のGOT、GPT、低血中トリグリセリドであった。また、胃粘膜の病理検索を行ったところ、WTCと比較して胃粘膜の線維化、胃底腺細胞の好酸性化および腫大、腺の拡張が観察された。 WTC-dfkとWTCはコアイソジェニックな関係にあることから、本年度明らかにされた表現形質の差異はdfk遺伝子が原因となっている可能性が示唆された。
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