きわめて効率的なマウスバンクシステムを構築することを日的に、マウス胚/精子の保存・供給に関する様々なソフトを開発した。すなわち、本年度においては、1.マウス系統に関する基本的な情報(系統名、世代数、特徴など)、2.体外受精あるいは体内受精により胚を作出するまでのデータ(過排卵処理、受精率、胚数など)、3.胚および精子を凍結保存する作業に関するデータ(凍結胚数、凍結精子ストローなど)および 4.凍結胚・精子の在庫に関する情報(凍結胚・精子ストローの融解した数、在庫数など)を網羅的に、円滑かつ効率的に管理するためのソフトを構築した。このソフトは、1.各ワークシート上で決定された作業がスケジュール表に集約されるので、何時、何を実施するかが一目瞭然となる。また、スケジュール表上の表示は、詳細が記された個別ワークシートにリンクしているため、検索する手間が大幅に減少する(スケジュール機能による一元管理)。2.システム導入前のワークフローに即したワークシート(依頼書)を使用するため、基本業務の変更の負担が少なく、かつ、依頼番号という一意キーにより体外受精、卵管灌流、凍結胚の融解・移植、胚・精子の凍結の情報が相互リンクすることで紙書類が激減するので事務処理自体が軽減される(依頼書番号による個別情報の一元管理)。3.凍結保存した胚や精子が保管されているキャニスター情報をグラフィカルに表示することにより、直感的な操作が可能となる(グラフィカルユーザーインターフェイスによる凍結情報管理)ことから、マウス胚/精子の保存・供給に関する一連の作業が極めて効率的となった。さらに、このソフトはORACLEデータベース&WEBアプリケーション(一部Windows)で構築されているため、利用者のOS間のバリアフリーを実現したことで、さまざまなユーザーに利用可能となった。
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