研究課題/領域番号 |
15300147
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研究機関 | (財)実験動物中央研究所 |
研究代表者 |
伊藤 守 財団法人実験動物中央研究所, 免疫研究室, 室長 (00176364)
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研究分担者 |
山田 秀一 京都大学, ウィルス研究所, 助手 (20261133)
外丸 祐介 財団法人実験動物中央研究所, 飼育技術研究室, 研究員 (90309352)
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キーワード | 再生治療 / 動物モデル / NOGマウス / ES細胞 / ラット / 分化誘導 |
研究概要 |
NOGマウスを用いた再生治療動物モデルの作製のため、本年度は以下の研究を行なった。 1)同種移植系として、我々が樹立したB6由来のES細胞分化誘導法の検討を行なった。すなわち、(1)既存のES細胞株〔TT2、R1およびD3〕との増殖性の差異の検討、(2)胚様体形成能力の検討、(2)胚様体形効率の改善のための培養方法の検討、を行った。その結果、(1)については、B6由来の細胞株はTT2以外の129系ES細胞株と遜色無い細胞増殖率であること、(2)については、B6由来のESは、129系ES細胞株と遜色無い胚様体形成率であったが、他のESに比較し胚様体の大きさが小さい傾向にあること、および(3)に関しては、チャンバー方式の浮遊培養を検討し、B6由来のESにおいても胚様体の大きさにおいても改善が認められ、良好な胚様体形が認められることが明らかとなった。また、臓器障害法に関しては、NOGマウスへのブレオマイシン処理での肺炎の形成実験を行ない、通常のマウス同様に肺炎が形成させることを確認した。肝炎については、ConAよりも四塩化炭素処置の方が有効と思われた。B6 ES細胞のNOGマウスへの静脈内投与による肺、肝臓での分化を検討した。これについては現在まで明瞭な結果は得られていない。 2)異種移植系として、GFPラットの導入、繁殖を行ない、実験に供する数に達した。ラットへの臓器障害を起こさせる前段階実験として、ラット正常肺、肝臓のNOGマウス皮下への移植実験を行なった。この予備的な実験では、ラット組織が一定期間、NOGマウスで組織学的に生着していることが確認された。さらに、GFPラットおよびその他系統ラットの胚盤胞期受精卵をソースとして、ラットES細胞の樹立を試みた。これらラット受精卵からES様コロニーが出現することが明らかとなったが、現在のところ完全にライン化できたものは得られていない。
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