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2004 年度 実績報告書

血流動態を考慮した細胞共存型血管モデルによる動脈硬化症発生メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 15300153
研究機関東北大学

研究代表者

坂元 尚哉  東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20361115)

研究分担者 佐藤 正明  東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30111371)
キーワードバイオメカニクス / 動脈硬化症 / 細胞共存型血管モデル / 内皮細胞 / 平滑筋細胞 / 流れ負荷 / 遊走性 / 物質透過性
研究概要

内皮細胞と平滑筋細胞を共存培養した血管モデルを新たに構築し,内皮細胞表面に流れを負荷した場合の内皮細胞の機能変化,平滑筋細胞の遊走性や細胞間に働く生理活性物質の産生などを詳細に調べることにより動脈硬化症発生メカニズムの解明を目指す.
1.内皮細胞由来一酸化窒素の影響
せん断応力を負荷した共存培養モデルの平滑筋細胞の遊走減少における内皮細胞由来一酸化窒素の影響を調べるため,一酸化窒素(NO)合成阻害薬であるL-NAMEを含む培養液を用いてせん断応力負荷実験を行った.通常の培養液を用いてせん断応力を負荷した場合,血管モデル中の平滑筋細胞の遊走は抑制されたが,内皮細胞のNO合成を阻害した場合には遊走は抑制されなかった.このことからせん断応力負荷により産生が増加した内細胞由来NOが平滑筋細胞の遊走を抑制していることが明らかになった.一方,血管モデル中の細胞外基質分解酵素(MMP-2)活性は一酸化窒素を阻害した場合でもせん断応力負荷により抑制された.MMP-2活性はNOとは異なる内皮細胞由来のサイトカインで制御されている可能性が示唆された.
2.内皮細胞層の物質透過性の測定
蛍光標識した血清アルブミンをトレーサーとして,共存培養モデルの内皮細胞層の物質透過性を測定した.静置培養環境下において,内皮細胞のみで構築した内皮細胞モデルに比べ,血管モデルモデルの内皮細胞は高い物質透過性を示した.1.5Paのせん断応力を、24時間負荷することにより,血管モデルの物質透過性は有意に減少した(P<0.05).平滑筋細胞は内皮細胞の物質透過性に重要な役割を持つことが考えられた.
これらの結果から,内皮細胞と平滑筋細胞はせん断環境の変化によって互いの機能を変化させる相互作用を有し,正常な血管壁と動脈硬化症病変の進展に深く関わっていることが明らかになった.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Mechanical properties of a single stress fiber isolated from cultured smooth muscle cells2004

    • 著者名/発表者名
      M.Sato
    • 雑誌名

      Proceeding of the 2004 BMES Annual Fall Meeting (CD)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Effect of shear stress on permeability of vascular endothelial monolayer cocultured with smooth muscle cells2004

    • 著者名/発表者名
      N.Sakamoto
    • 雑誌名

      JSME International Journal Series C Vol.47,No.4

      ページ: 992-999

  • [雑誌論文] 静水圧に対する培養内皮細胞の形態的変化とその評価方法2004

    • 著者名/発表者名
      坂元尚哉
    • 雑誌名

      第43回日本エム・イー学会大会プログラム・論文集 Vol.42 Suppl.1

      ページ: 589

  • [雑誌論文] Role of nitric oxide in migration of smooth muscle cells in cocultured model2004

    • 著者名/発表者名
      N.Sakamoto
    • 雑誌名

      The proceedings of The First Asian Pacific Conference on Biomechanics No.04-293

      ページ: 83

  • [雑誌論文] 動脈硬化症発生メカニズムにおける内皮細胞と平滑筋細胞の相互作用2004

    • 著者名/発表者名
      坂元 尚哉
    • 雑誌名

      第27回日本バイオレオロジー学会年会プログラム・抄録集 18巻

      ページ: 40

  • [雑誌論文] 共存培養モデルを用いた平滑筋細胞遊走性に与える一酸化窒素の影響2004

    • 著者名/発表者名
      坂元 尚哉
    • 雑誌名

      日本機械学会第16回バイオエンジニアリング講演会講演論文集 No.03-38

      ページ: 31-32

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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