研究課題/領域番号 |
15300155
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
工藤 博幸 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 助教授 (60221933)
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研究分担者 |
遠藤 真広 放射線医学総合研究所, 医学物理部, 部長 (40160402)
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キーワード | CT / 画像再構成 / 画像処理 / 医用画像 / 被爆量 / コーンビーム / ファンビーム / X線 |
研究概要 |
本年度は、以下の3点について研究を行い、2件の雑誌論文と3件の国際雑誌論文として成果を発表することができた。まず、1つ目として、3次元CTや4次元CTのX線被爆量を大幅に低減できる新しい装置構成方式として、心臓などの検査の目的となるターゲットのみにX線を照射する『関心領域X線照射方式』を提案した。また、関心領域X線走査方式ではtruncationされた投影データからの画像再構成法が必要となるが、これについて厳密な画像再構成の可能性の数学的検討と具体的な画像再構成法の開発を行った。そして、典型的な心臓イメージングの状況を想定したシミュレーション実験を行い、本方式により数分の一のX線被爆量で従来方式と同じ画質の心臓領域のCT画像が得られることを示した。次に、2つ目として、放射線医学総合研究所に設置されている4次元CT装置のようにX線源を円軌道上を動かす標準的なX線源の走査方式において測定データの不完全性により生じるアーティファクトを削減するため、欠損データを物体の面積分を表す3次元ラドン変換の空間で補間により推定する原理に基づく新しい画像再構成法を開発した。そして、シミュレーション実験を行い、本手法により特に低周波成分のアーティファクトが削減されることを示した。最後に、3つ目として、測定データの欠損が生じない新しい4次元CTの走査方式として期待されているサドル軌道(本研究の初年度において開発したもの)に対して、計算が単純で実用的な新しい画像再構成法を開発した。これによりサドル軌道の実用性は急速に高まったと考えられる。そして、シミュレーション実験を行い、サドル軌道では円軌道のようなアーティファクトが生じなく高画質のCT画像が得られることを示した。
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