研究課題/領域番号 |
15300161
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
荒木 勉 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (50136214)
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研究分担者 |
東野 義之 奈良県立医科大学, 医学科, 教授 (40075023)
安井 武史 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (70314408)
橋本 守 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (70237949)
岩田 哲郎 徳島大学, 工学部, 教授 (50304548)
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キーワード | 生体SHG光 / 非線形光学現象 / 極短パルスレーザー / コラーゲン分子 / 組織診断 / 顕微イメージング / 皮膚 |
研究概要 |
複雑系の中から所定の生体分子を非侵襲・非染色、生きたまま、かつリアルタイムで認識し、その形態・高次構造および変化をイメージングする技術の開発を目的としている。そこで我々は、フェムト秒レーザーなどの極短パルス光に誘起されるフォトニクス現象を統合し、ミクロレベルでの細胞・組織診断へ導入するための研究を進めた。具体的には高速レーザー誘起で現れる生体組織のナノ秒蛍光と第二高調波光(SHG光)および非線形ラマン分光法に着目した。今年度の成果は主にSHG光関係で得ており、その結果を論文にまとめ報告した(別記リスト参照)。この成果の概要を記すと次のようになる。(1)フェムト秒レーザー光(波長810nm)をコラーゲン組織に照射し、波長405nmのSHG光を発生させた。(2)偏光レーザービームで誘起されたSHG光を検光子を通じて検出することで、繊維配向を知ることが出来た。(3)この手法で照射スポット径を10ミクロンにし、皮膚真皮のコラーゲン配向のマッピングを行った。(4)配向パラメター(PA)を定義し、距骨の骨梁にあるコラーゲン繊維配向のPA分布像を得た。(5)経皮測定の評価のため、奥行き方向の分解を求めた。そのために繊維方向が空間的に直交するモデルとして、アキレス腱を2枚重ねにしたものを用いた。その結果、奥行き方向20μmの分解を持つことがわかった。(6)組織のホルマリン固定や乾燥がSHG計測に与える影響を調査した。その結果、固定はSHG信号に影響しないこと、また乾燥によって信号強度は低下するが、PA値には関与しないことが明らかになった。
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