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2004 年度 実績報告書

ポリエチレングリコールを含む生体吸収性ブロック共重合体の医用材料としての応用

研究課題

研究課題/領域番号 15300172
研究機関関西大学

研究代表者

大矢 裕一  関西大学, 工学部, 助教授 (10213886)

研究分担者 大内 辰郎  関西大学, 工学部, 教授 (60067650)
田中 信二  日本油脂株式会社, 筑波研究所, 研究員
キーワードポリ乳酸 / ポリデプシペプチド / ポリエチレングリコール / 癒着防止膜 / 生分解性材料 / 生体適合性 / 生体吸収性 / ブロック共重合体
研究概要

本研究では、癒着防止膜として最適な力学的強度と分解プロファイルを有する生分解性材料の合成を目的として、生分解性速度の調節が可能な乳酸-デプシペプチド・ランダム共重合体をAセグメントとし、親水性で組織非接着性を有するPEGをBセグメントとしたABA型トリブロック共重合体を合成した。分子量20,000のPEGの両末端の水酸基を開始点として、スズ系触媒を用い,ロイシンとグリコール酸からなる環状デプシペプチドとラクチドとの仕込み率を変えて溶融封管重合を行い、Aセグメント長が種々に異なるpoly[LA-r-(Glc-Leu)]-PEG-poly[LA-r-(Glc-Leu)] <PLGL-PEG-PLGL>を合成した。得られた共重合体の塩化メチレン溶液よりキャスト膜を調製し、引張試験、熱分析を行った。細胞接着性はマウス腹腔滲出マクロファージおよびヒト正常皮膚由来線維芽細胞(NB1RGB)に対して評価した。生体内吸収性は、ラット(Wistar)背部皮下に埋入後、経時的に取出し、目視、重量測定などで評価した。共重合体は水中で5分以内に平衡膨潤度に達した。PEGの結晶性の低下および平衡膨潤度の増加はいずれもPLGL含有率に依存した。水中における重量減少は、7日で約50%、28日後には70%であり、デプシペプチド含有率に依存してポリラクチドの結晶性の低下と共に重量減少の促進が認められた。腹腔滲出細胞および線維芽細胞の接着は4日間の培養中全く認められなかった。ラット皮下への埋入において吸収性の加速が認められ、残存ポリマー中のラクチド残存率およびロイシン残存率は経時的に増加することからPEGドメインの優先的吸収が示唆された。以上のことからAセグメント重合度とデプシペプチドの導入により共重合体の機械的強度と生分解性の精密制御が可能であることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] ポリ乳酸系ソフトバイオマテリアル2004

    • 著者名/発表者名
      大内辰郎, 有村英俊
    • 雑誌名

      高分子 53(11)

      ページ: 881-885

  • [産業財産権] 三元ブロック共重合体,その製造法及び生体内適合材料2004

    • 発明者名
      大内 辰郎, 大矢 裕一(他2名)
    • 権利者名
      日本油脂(株)
    • 産業財産権番号
      PCT/JP2004/009628
    • 出願年月日
      2004-07-07

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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