研究課題/領域番号 |
15300176
|
研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
小林 尚俊 独立行政法人物質・材料研究機構, 生体材料研究センター, アソシエートディレクター (90354266)
|
研究分担者 |
大塚 英典 独立行政法人物質・材料研究機構, 生体材料研究センター・主幹研究員 (00344193)
谷口 彰良 独立行政法人物質・材料研究機構, 生体材料研究センター・主幹研究員 (70256759)
宮原 裕二 独立行政法人物質・材料研究機構, 生体材料研究センター・ディレクター (20360399)
|
キーワード | 人工角膜 / 微細加工技術 / 無機一有機複合化 / ハイドロキシアパタイト / 生体適合性高分子 / 表面修飾 |
研究概要 |
PVA-コラーゲン-アパタイト複合体等の合成とそれら材料の角膜材料としての基礎的なデータ蓄積を行うとともに、微細加工技術との複合化と材料と細胞の相互作用の解析を行った。また、動物由来角膜細胞を用いた細胞系での材料評価及び上記材料表面上での多層化角膜上皮形成の実現を中心に行い、一部基礎的な動物試験に着手した。角膜の栄養供給阻害を起こさず、かつ強固な角膜への固着が得られるように、コラーゲンを固定化したPVAハイドロゲルとアパタイ微粒子複合体及びその多孔体構造の合成方法を検討した。その結果、焼結状態の違うアパタイト微粒子を用いその後酸処理を行うことで、多孔化アパタイト複合体ゲルを合成することができた。透明性や物質透過性を阻害することなく上皮及び内皮系の細胞と親和性を付与する技術の開発としてゲル密度ゲルへのパーフォレーション技術を検討した。また、In vitroで上皮細胞との親和性を評価する研究を行った結果、材料表面上での人初代角膜上皮の多層化が確認され、上皮の機能化が確認された。また、生体分子の固定化強度の向上、及び配向性の制御のため、基材と3点で固定化される界面機能性分子を合成した。炭素原子の正四面体構造の4つの結合手のうちの3つにチオール基を配置し基材と固定化するとともに、他の一つにカルボキシル基を配置して、ペプチドなどの機能分子を固定化する。モデル表面上で温度負荷による固定化強度の安定性を調べた結果、1点固定化より3点固定化の結合強度の方が向上することを確認した。一方、微細加工技術との複合化によって材料と細胞の相互作用の解析を行なった。生体親和性材料表面にマイクロパターニングを施し、細胞-細胞間、細胞-材料表面間、それぞれの相互作用メカニズムを検討し、材料表面での細胞組織化を促す手法を確立した。
|