研究課題/領域番号 |
15300178
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医用システム
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
西條 芳文 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (00292277)
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研究分担者 |
佐藤 正明 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30111371)
穂積 直裕 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30314090)
鈴木 聡 東北大学, 病院・講師 (50344669)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | 超音波顕微鏡 / 音速 / 減衰 / 位相 / 超音波組織性状診断 / バイオメカニクス / 細胞 |
研究概要 |
従来、細胞の高精度イメージングとして用いられてきた電子顕微鏡、蛍光抗体法を用いたレーザー走査顕微鏡などの方法では、細胞に対する前処置や抗体投与などが必要であり、様々な条件下での繰り返し計測のためには、細胞に無処置、非接触で繰り返し高精度に細胞のナノ・イメージングが実現される必要がある。本研究の目的は、高周波数超音波パルスを用いて、サブミクロンの方位分解能およびナノレベルの厚み計測を実現し、細胞の音速、超音波減衰、音響インピーダンスなどのパラメータを高精度に計測可能な、超音波ナノ・イメージングシステムを開発することである。さらに、本システムによって得られた血管内皮細胞内の音響特性分布を、細胞内骨格であるアクチンフィラメントおよびチュブリンの分布と比較検討し、超音波ナノ・イメージングのバイオメカニクス計測システムとしての有用性を証明することである。 高速機械スイッチによりパルス幅2ns程度の電気パルスを発生させ、電気パルスをトランスデューサに直接入力し、そのパルス応答をデジタルオシロスコープにて解析した。顕微鏡の走査部分として、x軸およびy軸にサーボリニアモーターを用い、マイクロコンピュータを組み込んだボードにより走査を制御した。システム全体はワークステーションにて制御し、300×300点のデータを2分で取り込むことの出来るシステムが完成した。さらに、組織表面からの反射とガラス面からの反射の干渉を周波数領域で解析し、組織の厚みと音速を算出するアルゴリズムを完成させ、組織音速の定量的な2次元カラー表示が可能になった。さらに、培養皿上に培養した血管内皮細胞の定量的な速度分布表示が可能になり、肺動脈血管内皮細胞の冷却時に生じるアクチンフィラメントの挙動と電気的インピーダンス計測、ナノ・イメージング法の比較により、このシステムの細胞のバイオメカニクス計測に対する有用性が示された。
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