研究課題/領域番号 |
15300182
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
玄 丞烋 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (90283655)
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研究分担者 |
和田 洋巳 京都大学, 大学院・医科学研究所, 教授 (90167205)
田中 紘一 京都大学, 大学院・医科学研究所, 教授 (20115877)
堤 定美 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (00028739)
米田 正始 京都大学, 大学院・医科学研究所, 教授 (20303810)
中村 孝志 京都大学, 大学院・医科学研究所, 教授 (10201675)
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キーワード | ポリフェノール / 生体組織保存 / 角膜保存 / 神経保存 / 膵島保存 / 生体組織移植 |
研究概要 |
1)緑茶ポリフェノールの角膜保存に対する影響 角膜の長期冷蔵保存におけるポリフェノール(PP)処理による角膜上皮・内皮への影響について検討した。角膜上皮は500μg/ml、1000μg/mlポリフェノール処理群でOptisol-GSのみの保存に比べ、形態がよく保存されていた。角膜内皮では、PP処理群の内皮細胞密度、六角形細胞率は保存28日目においても新鮮角膜とほぼ同等であった。これらの研究により、PPは角膜組織の長期保存において角膜上皮・角膜内皮の形態や機能の保持に有用であることが解った。 2)緑茶ポリフェノール処理した保存末梢神経移植 PPの抹消神経保存液としての可能性について検討した。移植片に対する移植前評価では、移植片のcell viabilityがより良好に維持されており、再生神経内の移植シュワン細胞の存在も確認できた。移植24週後の組織学的評価においては、総有髄神経軸索数、有髄神経軸索密度、及び有髄神経軸索直径ともに有意に高い値であった。緑茶PPは有効な末梢神経保存液になりえる可能性を見出した。 3)緑茶ポリフェノールによるヒト膵島生存率の改善効果 緑茶PPの分離ヒト膵島の生存率に対する効果およびその機序を検討した。 膵島の生存率及びstimulation indexesはPP処理により有意に向上した。RT-PCR、ウエスタンブロットともに緑茶PPにより抗アポトーシスのBcl-2が増加しアポトーシス誘導のBAXが減少を示した。 緑茶PPによりヒト膵島内の抗アポトーシスのBcl-2が増加、アポトーシス誘導のBAXが減少し、ヒト膵島の生存率が改善した。以上の結果より、緑茶ポリフェノールが臨床膵島移植の成績向上に貢献できる可能性を見出した。
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