研究課題/領域番号 |
15300185
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
原 量宏 香川大学, 医学部附属病院, 教授 (20010415)
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研究分担者 |
千田 彰一 香川大学, 医学部附属病院, 教授 (30145049)
岡田 宏基 岡山大学, 医学部歯学部附属病院, 助教授 (00243775)
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キーワード | 周産期ネットワーク / 周産期電子カルテ / Web型電子カルテ / 在宅妊婦管理 / DoPa技術 / パケット通信 / モバイル |
研究概要 |
少子高齢化社会をむかえ我が国の医療を取り巻く環境は急激に変化している。特に周産期医療への影響は大きく、産婦人科医、小児科医の減少は急激で、このままでは全国各地域の周産期医療の崩壊が危惧される状態にある。 厚生労働省は「周産期医療のシステム化」プロジェクトを全国的規模で進めており、その体制が徐々に整いつつあるが、未だ十分にその機能が発揮されているとは言えない。 2004年9月に日本産婦人科医会が、「良い産院の10カ条」の中で提言した様に、妊娠管理は診療所で、分娩はスタッフのそろった大病院でという、病院と診療所の分業体制:いわゆる産科オープン・セミオープンシステムの導入はいまや大きな潮流となっており、これまで以上に緊密な病・診連携が求められる時代となっている。 香川県においては1998年度から県のモデル事業として、香川大学周産母子センターと地域の産婦人科医療機関を結ぶ周産期電子カルテネットワークが稼働してり、周産期医療の向上に威力を発揮している。その後、周産期ネットワークの機器更新の時期にあわせて、あらたに最新のWebサーバが導入された。そこへ本研究で新たに開発したWeb版周産期電子カルテを搭載することにより、香川県の医療機関はもちろん、全国の医療機関がどこからでも利用できる様になっている。一方、切迫早産や妊娠高血圧症候群などリスクの高妊婦の管理では、家庭での胎児心数の連続監視が非常に重要となる。本研究で開発した在宅管理システムでは、パケット通信(iModeと同様のDoPa技術)により、妊婦および医師側が病院、診療所以外のどこからでも情報を送受信できるようになった。今後、在宅ネットワークとWeb版電子カルテネットワークが有機的に統合されることにより、妊婦の家庭とすべての医療機関が一体となったネットワークシステムが実現する。 日本産婦人科医会情報システム委員会では、わが国の理想的な周産期医療の実現をめざして、周産期医療情報の記述、保存の標準化に取り組んでおり、医療のIT化、特に電子カルテネットワークの普及に積極的に取り組んでいる。救急車やドクターヘリによる母体や新生児の搬送を血液の循環系(物流)とすると、電子カルテネットワークはまさに神経系(通信)に相当する。本研究により両システムが開発されたことにより、今後より理想的な周産期医療が実現する。
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