研究概要 |
本研究は,情報通信,地理情報システム,福祉工学,および知能情報学の技術を総合して,高精度GPSデータから車椅子利用者のためのバリアフリー地理情報を獲得する情報システムの開発を目指している.このシステムは,誤差が数cmの高精度GPSを車椅子に搭載し,利用者の実生活から得られる精細な移動軌跡とコメントをネットワーク上のサーバで処理し共有することによって,市販の地図からは得られないきめ細かなバリアフリー情報に満ちたタウン地図を生成する仕組みを支援する. 平成15年度の研究では,本システムの実装の基盤となるプラットフォーム(ハードおよび基本ソフト)を開発した. ハードとしては,電動車椅子へのGPS受信機およびペンPCの据え付けが主要部分である. ソフトは,高精度GPSデータを取得して,標準的な数値フォーマットに変換して,データベースに記録する部分,および,市販の地理情報システム(GIS)との連携の基盤となる部分である.高精度GPSデータとの連携にはGN-SMART現場観測システム(三菱電機),GISエンジンにはActive Map(カーネル社),データベース管理システムにはMicrosoft Access(マイクロソフト)を利用している.ソフト全体は,マイクロソフト社のVisual Studio. NETの上に乗る.本システムで取り扱うデータ種類は,高精度GPS位置情報データ,GPS時系列情報データ,利用者移動実績データ,地図データである.補助機能として,車椅子表示,地形図表示,検索,印刷,レイヤ制御,目標物メンテナンスがある.
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