研究概要 |
平成16年度は、健常人を被験者にして、以下の2つの研究を主に行った。 1:テスト時間短縮の妥当性の検討については、32名の健常人(男子17名:平均年齢23歳、女子15名:平均年齢20.6歳)でモナークエルゴメータを使用して行った。Optimaは過去の研究成果を参考にして、男子で0.087、女子で0.085とした。30秒のウインゲートテストと15秒のウインゲートテストを30分の休息をはさんで、同一日に施行順のカウンターバランスをとって行った。その結果、両者の平均パワーの級内相関係数は、MP(Mean Power)で0.99 ICC(3,1)、MP/BW(Mean Power/Body Weight)で0.97 ICC(3,1)と非常に高い相関が得られ、ウインゲートテストにおける時間短縮の妥当性が証明された。 2:ウインゲートテストは、使用するエルゴメータによって至適負荷量の設定基準(Optima)が異なる。ストレングスエルゴは今までウインゲートテストに使用されたことがないため、次年度以降の片麻痺患者への応用に先立って、今年度は機械特性の把握と健常者でのOptima設定に関する基礎データの収集を行った。被験者は平均年齢46.8歳の女性13名であった。障害者への応用を考慮し、ウインゲートテストの施行時間を18秒に設定した。当初、最初の6秒間をゼロ負荷とし最大回転スピードに達するための準備時間と位置づけ、6秒〜18秒の12秒間の平均パワーをデータとして採用する予定であった。しかしその設定では機械特性上ペダルへの負荷が不安定になる傾向が認められた。そこで最初の6秒間をランプ負荷へ修正したところ、6秒〜18秒間で一定負荷の等張運動が行えることがわかった。Optimaの設定では、体重比0.6で等張性負荷を設定すると、最も負荷が安定し、高い平均パワーが得られることが判明した。
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