研究課題/領域番号 |
15300191
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
出江 紳一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80176239)
|
研究分担者 |
中里 信和 広南病院, 臨床研究部長(研究職) (80207753)
近藤 健男 東北大学, 医学部付属病院, 助手 (30282130)
|
キーワード | 脳卒中 / 片麻痺 / 経頭蓋磁気刺激 / MRI |
研究概要 |
本研究の目的は、脳卒中片麻痺に対する低頻度反復経頭蓋磁気刺激を併用した運動療法の効果、ならびに片麻痺の回復に関与する可塑性変化を、脳機能画像検査により明らかにすることである。本年度は、主に後者の基礎データの収集と解析を行った。まず、脳卒中後の片麻痺改善における皮質脊髄路機能を解析する目的で、脳卒中患者にMRI拡散テンソル技法による皮質脊髄路の障害度の定量的評価を行い、片麻痺の程度と比較検討した。すなわち脳卒中慢性期患者14例(脳内出血6例、脳梗塞8例)に対してMRIによる3-dimensional axonal contrast(3-DAC)、fractional anisotropy(FA)、apparent diffusion coefficient(ADC)による皮質脊髄路の障害度を評価した。片麻痺の回復段階を示すBrunnstrom stageと拡散MRIのパラメータとの関係を検討した。 その結果、皮質脊髄路のワーラー変性を大脳脚における3-DAC、FA、ADCにより信号変化として捕らえることが可能であった。統計学的な解析では、片麻痺と良好な相関関係を示したものはADC値であった。すなわち、大脳脚におけるADC値は片麻痺の重度な患者では有意に高値であり、経時的にMRI評価を行った10例の患者では片麻痺の改善に伴いADC値は低下した。 現在脳卒中急性期病院である広南病院で脳卒中急性期患者にMRIを施行し、ADCによる皮質脊髄路の障害度の定量的データーの収集を平成15年12月より開始し、現在データーを解析中である。また平成15年11月に経頭蓋磁気刺激装置が導入されたことから、健常者を対象として、運動誘発電位記録の信頼性を検証している。最大の変動要因が刺激コイルの位置と向きの変動であることから、それをを最小限にするためのコイル把持アームの作成を行った。
|