研究分担者 |
長岡 英司 筑波技術短期大学, 視覚部, 教授 (30227996)
下条 誠 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (90292474)
坂本 和義 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (40017398)
篠原 正美 産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 主任研究員 (90357195)
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研究概要 |
本研究は視覚障害者のうち全盲のパソコン利用様態を「盲人のためのヒューマン・インタフェース」という視点から情報処理教育現場において解明し、その向上を図ることによって全盲の職業や生活を支援するための手段に資することを目的とする。 この目的に対して本年度は以下の3点に対する研究を遂行した。 (1)PC利用様態の解明 GUI型ユーザインタフェースが主流である現在のPCにおいて,キーボード操作を主流とする非GUI型インタフェースに依存する重度視覚障害者の実体解明のため,情報処理教育を受ける視覚障害者について行動観察を行った。その結果,PC利用様態が特殊キーとキーボード・ショートカットを多用するグループとそれらをあまり利用しないグループに分類できるが,どちらのグループも課題とするファイル操作を実行できた。また,デファクトスタンダードOSで提供されるキーボード・ショートカットに関する聞き取り調査を実施した結果,多くの視覚障害ユーザは提供されるうちの35%以下しか利用していないことが明らかになった。 (2)視覚障害者のPCユーザ・モデルの構築 観察記録に基づき重度視覚障害者のファイル操作に関するPCユーザ・モデルのプロトタイプを構築した。これは,ワープロをタスクにすることを想定し新規ファイルの作成と印刷を行うものと,既存ファイルを探索して編集,印刷,保存をタスクとするものについてである。このモデルを,今後,詳細なワープロ操作過程のモデルに展開する予定である。 (3)非GUI操作支援ツールの検討 インタラクティブに画面情報を獲得できるツールとして触覚グラフィック・ディスプレイの操作機能に対する検討を加え,キーボード操作の他に触覚によるディスプレイにダイレクト・マニピュレーションを付加する方式の仕様策定を行った。
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