研究課題/領域番号 |
15300196
|
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
清水 豊 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (50231733)
|
研究分担者 |
坂本 和義 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (40017398)
下条 誠 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (90292474)
長岡 英司 筑波技術大学, 障害者支援研究部門, 教授 (30227996)
篠原 正美 産業技術総合研究所, 人間医福祉工学研究部門, 主任研究員 (90357195)
|
キーワード | 触覚グラフィックディスプレイ / 重度視覚障害者 / 盲人 / パソコン / GUI / 就業支援 / 触覚デバイス / 障害者支援 |
研究概要 |
今年度は以下の研究を行った。 (1)就業支援ツールとしての触覚デバイスの操作特性の解明 重度視覚障害者がパソコンを使った情報処理業務に就くためには図形や画像など非言語情報の操作が必要になる。これを触覚デバイスで支援するシステムを新たに構築し、重度視覚障害者に対してユーザビリティー実験を行った。特長として設計した画面情報を直接触れることで空間の位置情報を獲得しながら操作ができる点が実験によって実証でき、レイアウトを伴う高度な文書処理など就業ツールとしての有効性を確認するものとなった。 (2)新システムにおける操作疲労の分析 新支援システムでの操作者のストレスの問題を分析した。当初は触覚による画面操作が利用者にとっては全く初めての体験であるため、ストレスを感じると報告した参加者が数名いた。しかし、実験を継続するに従ってこのような報告は減少したので、システムの習熟と共に軽減されるものと推定された。分析の結果、ストレスが伴う行為はポインティングやスクロールといった動作の成立にたいするものであることが分かった。 (3)新システムの動特性評価 導入されたシステムに操作上のストレスが若干ではあるが感じられたようなので、動特性を向上させる方法を検討した。第1は触覚グラフィックディスプレイの押圧位置と画面表示位置との整合性の問題、第2はポインティングやスクロールが成立する閾値条件の適正な決定である。第1の問題については画面歪みをアフィン変換で補正する方法、第2の問題については評価実験から押圧を2.6N近辺で検出できるアルゴリズムを完成させた。 以上を通じて、画面読み上げソフトと提案する触覚グラフィックディスプレイを導入したパソコンシステムを構築することで、重度視覚障害者の高度な文書処理が可能になる就業支援ツールの有効性を重度視覚障害者に対するユーザビリティー実験から明らかにすることができた。
|