研究分担者 |
南部 雅幸 国立療養所, 中部病院・長寿医療研究センター, 室長 (10333395)
森田 良文 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00241224)
鵜飼 裕之 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40135405)
辻 美和 藤本早鈴病院, リハビリテーション科, 作業療法士
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研究概要 |
本研究では,被訓練者一人一人の訓練効果の定量的評価訓練メニューの作成支援の実現に向けて,被訓練者の上肢の生体状態(障害状態)を収集,評価し,その結果をロボットアーム動作にフィードバックできる支援システムを構築することを目的としている.平成15年度の成果を以下に示す. 1.身体運動とロボットアームの動作との親和性の向上の目的から,身体運動に適合したパワー・モーションアシストを実現するロボットシステムの制御アルゴリズムを検討するために,上肢身体運動パターンの生成分析を以下の2ケースにおいて健常な大学院生に対して行った. (a)机上作業において基本的動作となる水平面内前後動作と左右動作 (b)作業療法の現場で広く用いられているサンディング訓練における3次元動作 これらのケースにおいて,各関節の速度モデルを導出した.これらの作業において手首の作業範囲と手首で必要となる力が異なる場合,健常者は体幹の移動と手首角度の変化でその作業に対応していることが計測データから分かり,それらを考慮したモデルとなっている. 2.身体情報測定システムの構築と身体運動機能の定量的評価の目的から,訓練中の被験者の身体動作を3次元関節データとして記録し,健常者との動作と同時に映し出せる視覚フィードバック機能を提案し,そのためのシステムを構築した. 3.作業療法における座位での3次元机上作業に対応する3次元リハビリ支援システムを構築した.既に試作した2次元リハビリ支援システムの製作過程で得られた知見を生かし,本体となるロボットアームには,市販の可搬式7自由度知能アームを改良することで開発期間の短縮を図った. 今後,3のシステムに,1に基づくロボット制御アルゴリズム,2の視覚フィードバック機能を組み込むことで,上肢運動パターン生成の分析に基づいた作業療法支援リハビリロボットの開発を進める.
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