研究課題
1.等運動性CKC運動におけるEMS作用の解析完成した理想的な下肢の等運動性CKC訓練システムを使用して健常若年男性被験者の最大出力時の下肢の各関節のトルク解析を行った。全例において蹴る力の方向が股関節と膝関節の中間から足部に向かう理想的なパターンでの運動が可能であった。そこで被験者に意図的に足部出力をつま先方向へ変位させて膝関節にストレスが生じるような運動を行わせて、EMS装置の電源がオンとなり、ハムストリングに電気刺激が加わるようにした。その結果、足部出力はEMS制御により股関節と膝関節の中間から足部に向かう理想的なパターンに矯正された。本システムを利用すれば、高齢者などで不規則な足部出力を行っても、EMS制御により理想的パターンでのCKC運動が可能である。2.培養神経細胞による最適な電気刺激の検討PC12m3の細胞100万個を25cm^2のフラスコに蒔き、5日間培養後無血清下で100mAで30分通電処理を行なったところPC12親細胞に比べ、PC12m3の細胞において高いp38MAPキナーゼの活性が見られた。通電処理は転写因子であるCREBを活性化するが、そのCREBの活性はp38MAPキナーゼ阻害剤であるSB203580によって大きく抑制されるが、ERKの阻害剤であるU0126では抑制されないことが観察された。これらの結果は、身体に及ぼす諸々の環境変化はp38MAPキナーゼを活性化して神経細胞を活性化していることを示唆している。さらにp38MAPキナーゼはERKによって活性化される転写因子のCREBを活性化することから神経突起形成はp38MAPキナーゼ系のみで誘導されることが示唆される。
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