研究課題
本年度は、精神疾患患者および中学生を対象としてECOLOGを用いて以下の調査を行った。(1)精神疾患患者を対象とした調査(医学部附属病院:久保木、熊野)緊張型頭痛の患者54名を対象に7日間を計3回、大うつ病性障害の患者5名を対象に、最大28日間に渡り、ECOLOGを用いて身体活動時系列の計測、およびその際の気分・病状などについて調査を行った。現在、各疾患に特徴的な身体活動パターンが抽出できるかどうかについて検証中であるが、これらの結果については来年度健常成人者のデータとあわせて報告する予定である。(2)中学生を対象とした調査(大学院教育学研究科;山本義春)中学生約100名を対象として、身体活動パターンと主観的な気分・疲労感、身体症状および認知機能について調査を行った。その結果、cole判定式を用いて算出した日中活動量(7時〜22時の身体活動量)に対して夜間活動量(22時〜翌朝7時までの身体活動量)が大きいほど、つまり夜間に多動傾向があるほど疲労感や身体症状、否定的な気分がより強くなる傾向がみられた。次いで、主観的な気分・疲労感、身体症状の関連について検討したところ、「疲労感」が強いと頭痛、腹痛などの身体症状を訴えることが多く(r=0.55〜0.76)、否定的・不安気分についても高い様子が観察された(r=0.83〜0.86)。また、「疲労感」が強いと起床時における睡眠の充足感が低い傾向がみられた(r=-0.6)。
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Psychosomatic Medicine (in press)
Autonomic Neuroscience 113
ページ: 55-62
Europhysics Letters 63
ページ: 448-454