研究概要 |
本研究の目的は以下の2つである。 【目的1】10〜20年前に測定対象とした中高齢者の活力年齢を再度測定し,活力寿命を評価する指標を作成するためのデータベースを構築する。 【目的2】ADL(activities of daily living)やQoL(quality of life)が顕著に低下した集団を疑似死亡群と定義し,活力寿命を評価する指標を提案する。 この研究目的を達成するために,今年度は研究分担者および従来の共同研究者の協力を得て,名古屋市立大学,大阪市立大学,大阪府立看護大学,広島大学,九州大学にて,10〜20年前に測定対象とした中高齢者の現在の健康体力水準を把握すべく,情報の整理を要請した。来年度以降,体力測定が可能な者については再測定を進めていく予定である。茨城県内にて過去の研究対象となった中高齢者については,近隣病院の協力を得て,生死の確認を進めるとともに,体力測定が可能な者については再測定を進めてきた。これまでに16名の死亡を確認するとともに,27名の再測定を実施した。また,来年度に再測定可能な対象者のリストを作成した。 今後の測定対象となるのは,我々がこれまでに測定してきた中高齢者,有疾患者のほか,肥満改善や体力増強を目的とした短期運動教室に参加したことのある中高齢男女であり,その数は1500名以上である。今年度は,大学や病院関係者に研究内容を伝え,協力体制を整えるのに時間を要したが,来年度からは測定を随時実施できる体制が整えられる。研究目的の達成に向けて,データ収集作業を加速させたい。
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