研究課題/領域番号 |
15300233
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
松本 健治 国立大学法人鳥取大学, 地域学部, 教授 (10073694)
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研究分担者 |
國土 将平 国立大学法人鳥取大学, 地域学部, 助教授 (10241803)
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キーワード | 皮下脂肪分布 / 生活習慣 / 隠れ肥満 / BMI / 身体組成 / 大学生 / 体脂肪 / 疫学的評価 |
研究概要 |
鳥取県内の大学生54名(男子学生21名、女子学生33名)を調査対象とし、体脂肪率、BMIや皮下脂肪分布の実態を明らかにし、隠れ肥満の評価判定方法を検討した。体脂肪率については、BOD POD(Lmi社)を使って測定した。皮下脂肪分布を求めるために、キャリパー(ホルティン社製スキンフォールド)を用いて、10点の部位、すなわち、上腕背部、上腕前部、胸部、肩甲骨下部、腹部、側腹部、腋窩部、大腿前部、膝上部および下腿部の皮下脂肪厚を測定した。皮下脂肪厚10点の値から体幹部と四肢部の皮下脂肪厚比T/E、四肢部と4部位の皮下脂肪厚和(肩甲骨下部、側腹部、上腕背部、下腿部)との比T/S、および肩甲骨下部と上腕背部の皮下脂肪厚比S/Tにより体脂肪分布の特徴を検討した。 隠れ肥満者と同じような傾向(BMIの割に体脂肪率が高い)の者についてより適切に判定するために、特に女子学生において肥満の評価判定値であるBMI値と体脂肪率(BMI=25、体脂肪率=25%)とやせの評価判定値であるBMI値と体脂肪率(BMI=18.5、体脂肪率=20%)のそれぞれの点を線で結び、その線と「隠れ肥満」である者との距離(基準となった者BMI=17.66、体脂肪率=25%)を「標準」の者と隠れ肥満である者との境界線として判定を行うこととした。 隠れ肥満とその他の群と皮下脂肪分布、除脂肪量、体脂肪量において体脂肪量と除脂肪量において有意差(P<0.01)がみられた。すなわち、「隠れ肥満」は除脂肪量が3群間で最も少なく、体脂肪量が最も多かった。しかしながら、皮下脂肪分布は「標準」と変わらず、量は「標準」群の方が多い傾向にあった。したがって、「隠れ肥満」群は、除脂肪量が少なく、内臓脂肪型の肥満であることが示唆された。 今後、大学生だけでなく、高校生についても更なる資料を得て、隠れ肥満の出現を促進するような生活習慣についても検討していく予定である。
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