研究概要 |
足裏は人体の発汗部位の中で特殊な部位で温熱性発汗よりも精神性、ストレス性の発汗をする部位であり、特にストレスの多い現代社会においては季節に関わらず大量に発汗をしていると考えられる。一般に閉塞型の靴は人体の足との密着度が歩行性能の維持のために衣服よりも格段に高く、開口部が少ない上に靴素材である皮革製品の透湿抵抗は一般の衣服用素材の透湿抵抗よりも大きいため、人体の足から放散される熱・水分がすみやかに靴外に放散されにくく蒸れて不快になりやすい。冬に流行するブーツ型の靴で顕著である。 本来、靴は1日履いたら2,3日は休ませることが望ましいが、現実には、1足の靴を連日使用する人が相当数いる。革靴の外側は手入れしても中は手入れを怠りがちで、雑菌が生じて臭いが気になる状況になる。また、水分がたまると型くずれが生じやすい。以上のような条件下で靴を日常継続的に履く場合、靴の温熱的快適性保持のためには蒸れた靴を、次回履くまでに速やかに乾燥させることが重要である。 そこで、1日着用した靴を革靴が堅崩れしないように乾燥させる方法および条件を明らかにし、快適な靴内環境を保つシューズリフレッシャーを商品開発する基礎データとする。1日履いて濡れる、または湿った1組の革靴を夜間、乾燥させる方法として強制対流乾燥型の靴乾燥機の開発に必要な基礎実験を行った。靴内の乾燥に必要な時間および、キーパー型乾燥機の形状の検討を行った。具体的には靴キーパー型の乾燥機を試作し、吐出型送風と吸引型送風で乾燥速度を比較した。また、靴底、靴つま先部等、湿りやすいところを乾燥させるため、キーパーの底部に突起をつけることを検討した。
|