研究課題/領域番号 |
15300251
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
今村 知明 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (80359603)
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研究分担者 |
堀口 逸子 順天堂大学, 医学部, 助手 (50338399)
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キーワード | 食物アレルギー / アナフィラキシー / リスクコミュニケーション / アレルギー表示 / 患者 / 食品表示 / 食品衛生法 |
研究概要 |
今回、食物アレルギーの患者さんが食品による健康危害(食物アレルギー)の発生を防止する観点から、アレルギー物質を含む食品の表示や情報提供について、その問題点や課題を把握するために、食物アレルギー患者の方々のご協力を頂き、「食物アレルギー発症のためのアンケート調査」を実施したところ、延べ878家族、1403名の協力が得られた。その主な結果は次の通りである。 アンケート回答者の内、アナフィラキシー経験者は約34.5%を占めた。また、食物アレルギーの原因物質については、卵(76%)が最も多く、ついで乳(60%)・小麦(38%)・落花生(25%)・そば(24%)の順で多くなっているが、ゴマ・米についても、表示を奨励されている原因物質と同等の発生頻度を示していた。更に、アナフィラキシーに関しては、その発生場所が、自宅(60%)・ファーストフード(17.4%)・訪問先(5.8%)・レストラン(4.3%)・学校(3.5%)の順となり、学校よりも食事頻度の少ないファーストフードにおいて値が高かった点が注目される。 一方、アレルギー表示制度に関しては、その存在を回答者のほとんど(93.3%)が知っていたが、その具体的な読み方については、約半数の人達において理解が不十分であった。このことは、アレルギー表示は、購入時の食品選択を容易にしたが、その反面、表記方法に問題があることも明らかとなった。 これらの結果を受け、平成16年度は、実際に現在販売されている「ファーストフード店」や「対面販売」における食品に、アレルギー表示義務のある5品目がどの程度含まれているかを、市場に出回っている商品を任意抽出し、検知法で確認すると共に、情報提供のあり方について検討する予定である。また、これと併せて、食物アレルギーに関しての情報収集手段として専用窓口の設置や、学校における教育の必要性など、食物アレルギーをもっと広く周知させることが求められるよう、今後研究を深める必要がある。
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