(1)小・中学生を被験者として、腰部と両手足に3次元アクセロメーターおよび胸部に心拍計を装着して、日常生活における3次元アクセロメーターの身体動作記録と心拍数を経時的に測定した。昨年度実施した呼気ガス代謝モニター(テレメトリー式)を用いた実験により得られた推定式を適用して、日常生活における3次元アクセロメーターの記録と心拍数のデータから小・中学生の日常生活における消費エネルギー量を推定した。 (2)また、日常生活の行動調査を実施し、日常の生活活動の種類・頻度の分析を行い、(1)のデータとあわせて、生活活動記録から消費エネルギー量を算出する質問紙(Questionnaire)の検討を行った。 以上の結果から、現在の小・中学生では日常生活時間が夜型になっていること、屋内で生活することが多く身体活動量が減少しがちになっていることなどが明らかになるとともに、質問紙と3次元アクセロメーターを用いて身体活動量を定量的に評価する方法を確立することができた。今後の課題として、推定した消費エネルギー量の妥当性を二重標識水(DLW)法などにより確認した上で、広く多数の小・中学生を対象とした調査を実施して日常生活の身体活動レベルと体力や健康状態との関わりを明らかにすることが必要である。本研究の成果は、若年期の肥満予防や健康教育に有用なツールになるものと考えられる。
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