• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

香辛料精油成分の組合せによる大腸菌O157の弱毒化の検討

研究課題

研究課題/領域番号 15300254
研究種目

基盤研究(B)

研究機関奈良女子大学

研究代表者

横井川 久己男  奈良女子大学, 生活環境学部, 助教授 (60230637)

キーワード大腸菌O157 / ベロ毒素 / 香辛料
研究概要

大腸菌O157の高い感染力と毒性の高いベロ毒素を生産する能力は、本病原体に対する予防や感染後の治療において、高い検出感度の検査法やベロ毒素生産を活性化しない抗菌剤の開発等の困難な問題を提起している。本研究では、大腸菌O157の弱毒化条件を確立するため、本年度はベロ毒素生産を抑制する物質を検索した。
大腸菌O157のベロ毒素生産性に対する種々のスパイスの影響を検討した結果、オールスパイスにベロ毒素生産に対する著しい抑制効果を見いだした。オールスパイス中の有効成分を精製して同定した結果、大腸菌O157のベロ毒素生産を抑制する物質はオイゲノールであることが判明した。本病原体の増殖に対する影響では、オイゲノール500ppm濃度以下の場合には増殖抑制効果はきわめて低く、1000ppmで完全に増殖を抑制した。しかし、大腸菌O157の増殖がほとんど抑制されないオイゲノール濃度でも、ベロ毒素VT1,VT2共に著しく生産量が抑制された。すなわち、オイゲノール10ppmでベロ毒素生産性は半減、100ppmでは1/8にまでベロ毒素生産性が低下した。さらにオイゲノール濃度が高くなるにつれてベロ毒素生産が抑制される傾向がみられ、500ppmではVT1は検出されず、VT2も生産性は1/16にまで低下した。これまでに大腸菌O157のベロ毒素生産を抑制する物質は見いだされていないため、本研究の成果は、本病原体の毒性を低下させるためにきわめて有用な知見と考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kumio Yokoigawa: "Acid Tolerance and gad mRNA Levels of Escherichia coli O157:H7 Grown in Foods"Int.J.Food Microbiol.. 82. 203-211 (2003)

  • [文献書誌] Kumio Yokoigawa: "Subunit Interaction of Monomeric Alanine Racemases from Four Shigella Species in Catalytic Reaction"FEMS Microbiol.Lett.. 221. 263-267 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi