論理的思考力を育むための教育コンテンツの創成

2003 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 15300267
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 研究機関: 埼玉大学
• 研究代表者: 時田 澄男 埼玉大学, 工学部, 教授 (20008866)
• 研究分担者: 岩本 一星 埼玉大学, 工学部, 教授 (90008871) ; 豊岡 了 埼玉大学, 工学部, 教授 (90019753) ; 小林 秀彦 埼玉大学, 工学部, 教授 (60125888) ; 太刀川 達也 埼玉大学, 工学部, 助手 (20251142) ; 野口 文雄 埼玉大学, 工学部, 助教授 (40008842)
• キーワード: マルチメディア教材 / ラザフォードの実験 / ミリカンの実験 / アボガドロの分子仮説 / 周期表 / パーキンのモーブ / 電子雲表示 / 3Dクリスタル

研究概要

「優れた研究」に関する観察の結果をマルチメディアで提示し、大法則や大発見がどのようにして見出されたかを対話的に学ぶ教材開発を以下の項目について検討した。
(1)ラザフォードの実験のシミュレーションと実験結果の解析(原子核の直径の算出)。
(2)ミリカンの実験の測定結果からの電気素量の算出。
(3)アボガドロの分子概念とそれにもとづく周期表の提案のプロセス。
また、WEB教材などのマルチメディアの欠点を補うために以下に示す2種の教材を開発した。
(4)パーキンのモーブの発見を再現する実験の追試ならびに、関連する他の原料を用いたときの生成物のスペクトル変化を分子軌道法計算により予測し、これを実験的に検証する教育プログラム。
(5)原子軌道の電子雲表示を従来のような断面表示または平面への投影法ではなく、三次元の雲としてガラスブロック(いわゆる3Dクリスタル)内に彫刻する新技法の開発。
以上のうち、特に(5)に関連する一連の研究は、国立科学博物館新館の落成に伴い、原子・分子の世界の展示に採用され、新しい教育コンテンツとしてその効能を検証することが予定されている。
なお、今年度の研究の研究過程において上記のように実験や造形(彫刻)を主体とする研究内容に重点を変更したため、交付申請書に記載した旅費・謝金などの使用予定を消耗品費にふりかえて使用した。

研究成果

• [文献書誌] 時田澄男: "コンピューターケミストリーとファインケミカル"ファインケミカル. 32・3. 15-16 (2003)
• [文献書誌] Tozawa T., Tachikawa T., Tokita S., Kubo Y.: "Chirality Induction in a Dibenzo-30-Crown-10 Congener Promoted by an Ion-Pair Coordinated Self-Assembly"New.J.Chem.. 27. 221-223 (2003)
• [文献書誌] Kaburagi Y.^*, Tokita S., Kaneko M.: "Solid film Device to Visualize UV-Irradiation"Chem. Lett.. 32. 888-889 (2003)
• [文献書誌] Tachikawa T., Handa C., Tokita S.: "Synthesis and Radiation Sensitivity of Tris(4-N,N-dimethyl-aminophenyl) methanethiol"J.Photopoly.Sci.Technol.. 16. 187-190 (2003)
• [文献書誌] Nakazawa D., Tachikawa T., Handa C., Tokita S.: "Development of Novel Color Former Containing Phenoxazine Moiety"J.Photopoly.Sci.Technol.. 16. 191-194 (2003)
• [文献書誌] 時田澄男: "高感度γ線検出のための機能性色素"放射線化学. 76. 29-33 (2003)
• [文献書誌] 時田澄男: "色、いろいろ"欅(埼玉大学広報誌). 13. 8-9 (2003)
• [文献書誌] 時田澄男: "新素材としての応用が多彩な機能性色素"埼経協ニュース. 318. 35 (2004)
• [文献書誌] 時田澄男: "化学便覧 応用化学編 第6版"染料・色素""丸善. 3 (2003)