研究概要 |
本年度は,受講生側の多様なインターネット接続環境に対応するためにCAIコンテンツの配信技術に関する研究を行った. この研究は,昨年度実施した研究である「マルチメディアCAIシステムの高度化」により作成されたマルチメディアコンテンツを,情報工学専攻(工学部情報工学科)の現有設備である教育用計算機並びに,ネットワーク接続装置および外部ISPのホスティング機能を用いて,受講生各々接続環境に対応したストリーミング配信を行うものである. 従来、このようなメディアミックスされたコンテンツの配信のためには、Windows Media(Microsoft社),Quick Time(Apple社)などが利用されてきているが,そのいずれもプラットフォーム依存型であり、しかも音声・映像で記録された講義内容と,例えばPowerPointなどのプレゼンテーション資料作成ツールで生成したスライド資料との簡単な同期再生(時系列にスライドが配置され,それが紙芝居のように変化していくだけもの)を実現しているに過ぎない. そこで,これらの問題点を改善するために,まず時間差収録した各種メディアの効果的なメディアミックス手法(時系列,スレッドベース)の検討と評価を行った.結果としては,受講生は教材のランダムアクセス性を重視する傾向にあり,単純に時系列に並んだデータよりもスレッドベースのコンテンツ配置が効果的であることが判明した. しかしスレッドベースの配置は,まだ実績が少なく教材提示を行うシステムも標準化されたものがないのが現状である.そこで,スレッドベースのコンテンツ表示が可能であり標準化が進んでいるCMS(コンテンツマネジメントシステム)を,マルチメディアコンテンツの教材提示に用いるシステムの試作を行った.
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