研究分担者 |
土井 進 信州大学, 教育学部, 教授 (30242663)
浦野 弘 秋田大学, 教育文化学部附属教育実践総合センター, 教授 (50185089)
濁川 明男 上越教育大学, 学校教育総合研究センター, 教授 (10293268)
中山 玄三 熊本大学, 教育学部附属教育実践総合センター, 助教授 (40211437)
谷塚 光典 信州大学, 教育学部附属教育実践総合センター, 講師 (30323231)
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研究概要 |
本研究は以下の4つを主たる目的としている。(1)体験的実習の実践成果を収集,分析し,実践的指導力の枠組みを明らかにする。(2)研究分担者の各大学で実施している体験的実習において,ポートフォリオ評価法により実習生(大学生)に培われている力を分析する。(3)上記(1)(2)をもとに,体験的実習における評価のためのルーブリックを開発する。(4)開発したルーブリックをインターネットを通して全国の教員養成系大学に配信し,各大学の体験的実習に使用し,その妥当性の検証と,修正を行い,より精度の高いものとする。 上記(1)(2)については、次の方法を用いて、教育実習における実習生の「授業理解」「子ども理解」の発達過程を調査した。教育実習の第1週から第4週までで、「まだ授業を体験していない段階」「1回授業を体験した段階」「2回授業をした段階」というように、授業を実践した回数ごとの段階で、デジタルカメラで、授業のポイントを1時間の授業で10枚程度撮影させる。撮影された映像がどこに視点をあてられたものかを分析する。 その結果、1〜2週目までの授業実践1〜2回段階は、大学で学んだ授業観、指導技術を特定することだけに目が向けられるが、3〜4回の授業実践後には、教材、子ども、学習活動の連関の中で授業を捉えることができるようになる。さらに、5〜6回の授業実践後では、特定の子どもの学びを学級全体との関係から捉えることができるようになる。これらは、「授業を見る眼」のルーブリックとなる。(日本教育大学協会・全国教育実習研究部門・北海道教育大学旭川校において報告した。) また、(3)(4)については、これまでの研究をもとに、体験的実習の評価基準を作成し、国立大学教育実践研究関連センター・教師教育部門において発表し、他大学の評価基準との比較を行った。その結果、「教科内容」「指導計画」「教授方略」「評価」「コミュニケーション」「自己省察」の項目について、かなりの一致が見られた。今後、開発された評価基準と実習生の自己評価とを比較検討するとともに、上記(1)(2)による知見を統合して、ルーブリックの精緻化を図りたい。
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