研究概要 |
視線を利用するポインティング操作のための基礎実験 視線を使うポインティング操作実験のために,アイカメラとトラッカーの使用実験を試みた。従来のアイカメラは,眼球部計測のために頭部を固定する必要があった。頭部を自由に動かせる改良型のアイカメラを導入,試用したところ,ポインティング操作の自由度が増し,使用者への過度の負担を軽減できることが明らかになった。 額に貼り付けた色マーカーを赤外線で計測する新しい視線計測器(トラッカー)の利用を試みた。ディスプレイ上に桝目を予め用意する。被験者は,指定される桝目に視線を集め注視することでポインティング操作性を確かめる。また,ディスプレイ上の迷路を視線で辿るドラッグ実験も試みた。これらの実験から,トラッカーでも大まかなポインティング操作ができることを確かめた。 筆記動作計測を通したタブレット機能の実現-ビデオタブレット- カラーマーカーをつけた筆記具を使い筆記過程をCCDカメラで計測し,時系列な画像列を入力する。入力画像系列のカラーマーカー部分を抽出することで筆記座標点を推定する。この方式は,普及する市販のタブレットに比べて,特別な筆記面や筆記具を使わないので,自然な書き味のするタブレットが実現できる。ここでは,カラーマーク色の選定がポイントとなる。本研究では,人間の色感覚とマッチする均等知覚色空間を利用することで,期待通りの良好な筆記座標点を抽出できた。実際には筆記されないストローク間の渡りの分離方法は未解決である。次年度は,2台のCCDカメラを利用する新しい方式を試みる予定である。
|