研究概要 |
本研究の目的は,複数の小学校をIP-VPNで接続し,各学校に配備されているPCを一元・集中管理するシステムを研究開発すること,および高いセキュリティを確保しつつ,学校間で映像による高度なコミュニケーションを実現する方法について研究することである.研究実績は以下の通りである. 1.「小中学校におけるIT化の現状調査」を実施し,兵庫県K市の小中学校を例にしてヒアリング調査を行いIT教育の現状と課題についてまとめた. 2.「実験用IPネットワークモデルの構築実験」を行い,研究室にWANシミュレータ(Cloud)を中心としたIPネットワークのテストベッドを構築した.これにより,実回線を使わなくても使った場合とまったく等価な各種の実験ができるようになった. 3.「分散環境におけるセンター一局集中制御に関する研究」を行い,ネットワーク上に分散配置された複数のPCやビデオ会議システムがセンターから遠隔操作できるようになり,例えば電源On/Off,再起動,ログオフ/ログオンなど,すべての操作がリモートで操作可能であることを実証した. 4.「ファイアウオール経由のビデオ会議システム接続に関する調査研究」を行い,企業や学校に設置されているファイアウオールを超えて,セキュリティを保ちつつ,ビデオ会議接続を行う最適な方法として,httpトンネリング技術が有効であることを実証した. 5.「インタラクティブマルチキャスト実験」を行い,マルチキャスト通信は少ない帯域でサーバに負荷をかけることなく,効率よく高品質な遠隔講義ができることを確認した. 6.「教育ポートフォリオ型e-Learningの開発」を実施し,学習者自らが目標設定,スケジュール管理をしながら最終的に学習目標を達成するというプロジェクトマネジメント機能を取り入れた教育ポートフォリオ型e-Learning(プロタイプ)を完成させた.
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