研究課題/領域番号 |
15300286
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
小笠原 喜康 日本大学, 文理学部, 教授 (20194417)
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研究分担者 |
久保田 賢一 関西大学, 総合情報学部, 教授 (80268325)
佐賀 啓男 日本大学, メディア教育開発線センター・研究開発部, 教授 (30196109)
黒上 晴夫 関西大学, 総合情報学部, 教授 (20215081)
三宅 正太郎 福山大学, 人間文化学部, 教授 (50107017)
大河原 清 岩手大学, 教育学部, 教授 (40168878)
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キーワード | メディアリテラシー / 社会構成主義 / 多メディア社会 / ポストモダン / メディア論 / 記号論 |
研究概要 |
本研究は、我が国におけるメディアリテラシーの概念問題と実践的なカリキュラムの開発を目指して行われた。メディアリテラシーは、その考え方が普及するにともない、その概念が拡大している。そもそも「メディア」という概念自体が記号と同じで極めて広いものであることによる。これは、単に概念の問題ではなく、実践の方向性に影響を与える問題である。実際、各国のメディアリテラシーの取り組みを調べると、そこにその国の考え方が現れていることをみることができる。 本研究では、こうしたことに鑑みて、メディアリテラシーを「多種多様な情報獲得手段が発達している現代において、そこから得られる情報を主体的に吟味し、それに基づいて行動することのできる能力」と規定して、研究を進めた。研究は、大きく四つのグループに分けて行われた。 第1グループ:幼稚園から大学までのカリキュラムを構成し、授業実践をおこなう。 第2グループ:各国のメディアリテラシーの取り組みを調査し、我が国の特性を検討する。 第3グループ:放送局と地域の学校や諸団体とが協同して取り組む実践を開発する。 第4グループ:日本における実践を調査しデータベース化を図る。 各グループは、それぞれに活動して、年2回の合宿研究会の時に情報を集約したが、次項の研究成果の他に、平成18年度に雑誌『視聴覚教育』において12ヶ月間連載をおこない、その成果を公表することにした。 前述したように、メディアリテラシーの概念は、大変広く、それだけに扱う対象も非常に広い。そうした視点に立てば、日本では「綴り方運動」のような独自の取り組みがこれまでもいくつかみられたといえるであろう。そうした伝統に立てば、メディアリテラシーの教育を単に多メディア時代の情報解釈態度に限定すべきではない。情報の吟味を通じて、さらに自らの生活の改善・改革を進めることのできる能力の育成へと向かうべきであることが了解された。
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