研究課題/領域番号 |
15300292
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
科学社会学・科学技術史
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
松原 洋子 立命館大学, 大学院・先端総合学術研究科, 教授 (80303006)
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研究分担者 |
小泉 義之 立命館大学, 大学院・先端総合学術研究科, 教授 (10225352)
立岩 真也 立命館大学, 大学院・先端総合学術研究科, 教授 (30222110)
遠藤 彰 立命館大学, 大学院・先端総合学術研究科, 教授 (90148388)
佐藤 達哉 立命館大学, 文学部, 教授 (90215806)
土屋 貴志 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (90264788)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | 生命倫理 / 公共性 / 障害者 / 科学技術社会論 / 生命科学 / 医療 / コミュニケーション / マイノリティー |
研究概要 |
本研究は、生命科学・生命技術の公共性と生活者の利益の一致および対立をめぐる諸問題について検討した。(1)過去から現代に至る事例の収集・分析一一20世紀から現在までに、医療・保健・福祉等の分野において、生活者と生命科学・生命技術の問に生じた様々な倫理的・社会的問題の事例について二次資料を手がかりに収集し、問題を整理した。ALS患者の膨大や手記や活動記録を集成し、人工呼吸器という技術と介護、療養生活、尊厳死の問題を包括的に論じた立岩真也『ALS』はその代表的な成果である。(2)生活者の利益にもとつく生命科学技術の公共性および制度の検討--日常生活の自立や経済的自立が困難な病者、障害者として生きる旨人々の利益と公共的利益の関係を検討した。松原・土屋は新生児スクリーニング、遺伝子技術・生殖技術、患者体験の医療へのフィードバック活動、倫理委員会制度の検討を通して、公共的サービスと結合した生命科学・医学が変容させる人々の生存の現場と、その現場からの患者主体の再構築のありようを考察した。佐藤はこうした考察の基礎となる心理学上の諸問題を検討した。(3)総合的見地から生命科学・生命技術の進展に対応する倫理原則の検討--従来の人権概念の前提を覆すような生命科学の知識と技術が登場している状況を受けとめ、生命倫理規範を根本的に見直した。小泉義之『生殖の哲学』はガバナンスや自己決定といった従来の議論の枠組みを覆し、生殖技術の可能性を徹底的に追究した。また生命圏全体が生物資源として研究開発の対象とみなされるようになるなかで、生物多様性および生態系の保全と生命倫理の尊重へのアプローチを理論的にも制度的にも統合する必要性が増大している。遠藤はこれに向けての調査と考察を多角的に行った。
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