研究課題/領域番号 |
15300306
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地理学
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
松山 洋 首都大学東京, 都市環境学部, 助教授 (50264586)
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研究分担者 |
泉 岳樹 首都大学東京, 都市環境学部, 助手 (10336513)
中山 大地 首都大学東京, 都市環境学部, 助手 (90336511)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | 積雪 / リモートセンシング / 分光反射特性 / 衛星Landsat / 葉面積指数 / 融雪-流出 / 植生指標 / 空間代表性 |
研究概要 |
研究目的を遂行するために、平成15〜17年度に行なった研究内容と研究成果は、以下のようにまとめられる。 1.新潟県津南町にあるスギ林を対象に、近年提唱された積雪指標を衛星Landsat/ETM+に適用して、林床積雪の抽出を試みた。そして、LAI(葉面積指数)がどの程度の値まで、積雪指標によって林床積雪を抽出することができるか、現地観測に基づいて明らかにした。その結果、LAIが4程度までのスギ林であれば、積雪指標によって林床積雪が抽出可能であることが明らかになった(Shimamura et al.2006)。 2.東京都檜原村および新潟県津南町を事例として、スギ人工林のLAIを直接推定法により求める際に、作業プロセスの違いとそれらの組み合わせによって、LAI推定値がどの程度異なるのかを調べた。作業プロセスは、調査木の選定、葉のサンプリング、葉サンプルの面積計測の3段階から成る。個々のプロセスによるLAI推定値の違いはそれほど大きくないが、これらの違いが累積すると、施業管理により個体差が小さいと考えられるスギ人工林であっても、LAI推定値に最大で40%の違いが生じる場合があることが分かった(藤原ほか2005)。 3.新潟県上越国境周辺を対象に、融雪期に衛星同期観測と山岳積雪調査を行なって、魚野川六日町流量観測点より上流域の積雪水資源量を推定した。2時期の衛星データ解析から推定した融雪-流出量は、観測値よりも推定値の方が大きいという結果になった。しかしながら、このことから、融雪から流出に至る過程を詳細に検討することの重要性が示唆された(島村ほか2005)。 4.太陽・センサと植生がなす角度が衛星データに及ぼす影響について、山火事後の各遷移段階にある植生を対象に調べた。その結果、観測角度によっては植生指標NDVIに0.1〜0.2の違いが生じることが分かった。また、各種植生指標を計算し、観測角度の変化に対する変動を比較したところ、焼け跡ではGEMIが、植生のある地点では、バンド和で正規化された近赤外域の反射率が、それぞれ最も変動が小さくなることが分かった(長谷川ほか2006)。 5.融雪-流出解析の入力データとして必要な、AMeDASの年平均気温データが代表する空間スケールについて、日本全国を対象としてバリオグラムを用いて調べた。バリオグラムにおけるレンジという変数に着目したところ、AMeDASの年平均気温は、日本のどの地域でも、最小で100km程度の空間代表性があることが明らかになった(波多野ほか2004)。
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