研究課題/領域番号 |
15300307
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
若林 芳樹 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (70191723)
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研究分担者 |
竹内 謙彰 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (40216867)
山本 利和 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (20200826)
岡本 耕平 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (90201988)
貞広 幸雄 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (10240722)
村越 真 静岡大学, 教育学部, 助教授 (30210032)
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キーワード | GIS / 地図 / 空間認知 / ナヴィゲーション / 方向感覚 / 性差 / 高齢者 |
研究概要 |
本研究課題に取り組むに当たって、テーマを「地理情報伝達」と「空間行動支援」に大別して研究を進めてきた。15年度に得られた成果は、以下の通りである。 1.地理情報伝達への応用 (1)GISと空間認知との関係をめぐる理論的・応用的諸問題について、(1)空間認知研究のツールとしてのGIS,(2)空間認知モデルとしてのGIS、(3)空間的知識の情報源としてのGIS、(4)空間認知研究の成果を応用したGISの改善、という4つの側面に分けて、既往の研究の論点を整理した。 (2)手描き地図のスタイルを分類する際、これまで頻繁に用いられてきたにもかかわらず、厳密な区別がなされてこなかった、サーヴェイマップとルートマップについて、GISを用いて定量的に判別する方法を開発した。 (3)地図と移動経験に基づく道案内文と道案内図における環境の記述がどのような特性をもつのかを、大学生を対象にして検討し、相違点を明らかにした。 (4)街の地域イメージや犯罪多発地区を地図上で可視的に表現するための効果的手法について、予備的検討を行った。 2.空間行動支援への応用 (1)高齢者と若年者との空間的能力の違いを明らかにするために、方向感覚質問紙を用いた比較調査を行った。その結果、目印の記憶に関する因子は高齢者がやや劣るものの、統計的に有意な年齢差はないことがわかった。 (2)大学生の地図利用行動とナヴィゲーション・スキルとの関連性について調査を行い、統計解析を行った。その結果、地図の種類によって関係するスキルも異なることが明らかになった。 (3)働く女性の生活行動に作用する時空間的制約を明らかにするために、生活時間調査を行い、その結果に基づいて空間行動支援策を検討した。 なお、これらの研究成果の一部は、日本国際地図学会の機関誌『地図』(41巻4号)に特集号を組んで公表した。
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