研究分担者 |
宮地 直道 日本大学, 文理学部, 助教授 (00349945)
高橋 正樹 日本大学, 文理学部, 教授 (20134166)
山川 修治 日本大学, 文理学部, 教授 (00183674)
中山 裕則 日本大学, 文理学部, 助教授 (90318329)
大野 希一 日本大学, 文理学部, 助手 (90328659)
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研究概要 |
火山防災上,防災担当者や住民にとって真に役立つ次世代型ハザードマップの構築を目指して、以下のa-gの7つの目標に対して研究を進めた。 a.漏れのない噴火履歴の解明:正確な噴火履歴復元のため、引き続き富士山を中心に噴火履歴解明のための現地調査を行った。特に山体崩壊・岩屑なだれ,火砕流,1707噴火について新資料を得た(宮地,遠藤,大野)。 b.噴火発生確率のより正確な見積りとデータベース;富士山等の溶岩・火砕物の物理・化学分析を行いデータベース化を進めた(高橋他,安井他等)。特に購入したデジタル顕微鏡を活用し,画像解析による発泡構造の解明と,噴火発生確率をより確かに求めるため年代測定を進めた(宮地,遠藤)。 c.噴火の様々な癖を捉える:火口の位置、噴火のタイプや推移など,噴火毎の様々な癖を把握するための富士山の主要噴火について野外調査を行い,青木ヶ原溶岩流のセノ海流入過程等を明らかにした(遠藤,安井,他)。 d.発生確率は低いが影響の大きなイベントの評価:山体崩壊等は,発生確率は低いが,特に破壊的な影響を与える。御殿場岩屑なだれについて新たなデータを基に論文を公表した(宮地他)。 e.多様な噴火シナリオから災害リスクの検討へ:従来から取得してきた豊富なデータに新データを加え,将来の噴火に対する多様な噴火シナリオを検討,災害リスクを検討した(高橋,宮地,遠藤,陶野)。 f.大気や地表の熱情報:噴火時には気象条件によって降灰域が決定されるため、主として風と雲の情報を監視カメラを活用して検討し,その一部をインターネットで公開した(山川,遠藤,大野,坪井)。また,地表の熱分布異常について定期的に観測した(中山ほか)。 g.役に立つハザードマップへ:噴火が始まった時に,観測機器による情報や目視情報を始め、監視カメラによる噴煙等の情報,地表の熱情報,気候・気象情報などがリアルタイムで刻々と捉えられるために,共通の位置情報の上に全ての他の情報を瞬時に重ね合わすことのできる地理情報システムを活用した仕組みを準備し、一部の成果をインターネット上に公開した(遠藤,中山,坪井,大野)。
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