研究課題/領域番号 |
15310006
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
近藤 昭彦 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 教授 (30201495)
|
研究分担者 |
唐 常源 千葉大学, 園芸学部, 教授 (80251198)
佐倉 保夫 千葉大学, 園芸学部, 教授 (70153947)
|
キーワード | 中国 / 華北平原 / 水問題 / 地下水 / 北京 / 天津 / 学際的研究 / 社会経済要因 |
研究概要 |
中国華北平原の水不足問題を総合的に理解するために、以下の調査研究を行った。 1)北緯38度線トランセクト研究 河北省の北緯38度線に沿ったトランセクトにおいて、地下水、農業、土地条件、気候条件、社会経済条件による現状分析を行った。その結果、地形条件が地下水流動系の構造を決定し、土地条件、ここでは浅層地下水の塩分濃度の分布を形成しているが、それが農業生産量の分布と対応することを明らかとした。土地条件の違いは降水量に対する農業生産量の応答の違いを生じさせ、さらに政策が農業生産量をコントロールすることから、営農コストの重要性が明らかになり、それは地下水位低下に伴う揚水コストが今後の農業生産に影響することを示唆した。 2)華北平原社会経済データベースの作成 河北省、北京市、天津市の統計データを用いて、1984年以降の穀物生産量、その他の項目の空間データベースを作成した。平原全体の農業統計を含む県単位の社会経済指標の時空間解析が可能となったので、最終年度に総合的な地理情報解析を行う予定である。 3)北京・天津地域の地下水流動系に関する研究 この地域の地下水採水調査結果から地下水の水質、同位体組成に関する分布が明らかになった。基本的に扇頂で涵養された地下水が、扇端から海岸平野に流出する地下水流動系を示唆する水質分布が得られた。今後、同位体分析の結果から年代スケールを入れることによって、地下水の滞留時間を明らかにする予定である。 4)その他の研究 これまでに得られた調査結果に基づき、解析を行い学術雑誌に投稿した。
|