研究課題/領域番号 |
15310008
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
多田 隆治 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (30143366)
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研究分担者 |
山本 正伸 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (60332475)
横山 祐典 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (10359648)
板木 拓也 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
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キーワード | 日本海 / 古海洋変動 / アジアモンスーン / 最終氷期 / 後氷期 / 風成塵 / 東シナ海 / 太陽活動 |
研究概要 |
本研究では、日本海から採取された複数のコアを用いて、最終氷期から後氷期について日本海海洋環境を高時間解像度で復元するとともに、モンスーン強度変動の指標を取り出して日本海海洋環境指標と比較する事により、アジアモンスーンの変動に対応して日本海の表層水、深層水環境がどのように変化したのかを明らかにする事を目的とした。海洋表層水環境の指標としては、浮遊性有孔虫の酸素同位体、炭素同位体、アルケノン古水温、浮遊性有孔虫の^<14>C年代、珪藻群集組成、生物源シリカ、生物源炭酸塩含有量などを用い、表層水温、塩分、表層水の起源、生物生産性を推定した。深層水の指標としては、放散虫群衆組成、平行葉理の保存度、有機炭素/硫黄比、炭酸塩鉱物含有量などを利用して、深層水の溶存酸素濃度、循環速度、CCDなどの復元を試みた。更に、モンスーン強度指標として、風成塵の粒度、フラックス、風成塵中の石英の結晶度、ESR信号強度などを用い、偏西風の強さ、黄砂の供給源、後背地の乾燥度などの推定も試みた。 こうした結果を基に、表層水環境、深層水環境、アジアモンスーン変動の位相関係を調べた結果、最終氷期には、夏季モンスーンフロントが北上して黄河、揚子江集水域に達した時期に、栄養塩に富み、塩分が低い東シナ海沿岸水域が拡大して日本海に流入し、日本海の生物生産性を上げると共に深層水循環を低下させ、深層水の還元化を招いた事が明らかになった。一方、後氷期には、偏西風軸やモンスーンフロントの明確な動きは、読み取れなかった。しかし、約千年周期で、僅かながら東シナ海沿岸水寄与率が変動し、その増加に伴って、日本海表層の生物生産性の増加が認められた。また、その倍の約2千年周期での黒潮起源水の増減が識別された。^<14>Cの初期値の変動曲線と比較した所、東シナ海沿岸水流入期や黒潮起源水流入期は、太陽活動が活発化した時期に対応する可能性が示唆された。
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