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2005 年度 実績報告書

PTR-MS測定法による大気中の揮発性有機化合物の動態解明

研究課題

研究課題/領域番号 15310009
研究機関東京大学

研究代表者

小池 真  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (00225343)

研究分担者 竹川 暢之  東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (00324369)
谷 晃  東海大学, 開発工学部, 講師 (50240958)
北 和之  茨城大学, 理学部, 助教授 (30221914)
キーワード陽子付着型質量分析法 / 揮発性有機化合物
研究概要

本研究では、陽子付着型質量分析法(PTR-MS=Proton Transfer Mass Spectrometer)という新しい測定技術により、揮発性有機化合物(VOC)を高精度でかつ高時間分解能で測定する方法を確立し、都市域における揮発性有機化合物の動態を解明することを目的とする。陽子付着型質量分析法とは、プロトンハイドレイト(H_3O^+)を使ってプロトンを測定対象成分に付着させることにより、測定対象成分を破壊することなく質量分析法により定量するという方法である。
本年度は、従来測定器感度の較正が困難であったホルムアルデヒドなどの含酸素揮発性有機化合物(OVOC)について、さまざまな水蒸気濃度条件等での感度較正を行った。この結果、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒド等の成分は、拡散スクラバー法と定量的に良く一致し、観測の妥当性が確認された。また本年度は、都市大気中の各種揮発性有機化合物の観測を実施し、またこれまでの都市域および郊外域(埼玉県騎西市)での観測に基づき、その日変動や季節変動、あるいは空間分布を明らかとした。またその変動を定量的に解釈するために、ゼロ次元の光化学反応モデルや、三次元の化学輸送モデルを使った解析を行った。この結果、アルデヒドなど含酸素揮発性有機化合物については、大気中での光化学的生成の重要性が明らかとなり、また個々の生成過程の相対的な重要性についても定量的に評価された。
これらの成果を、米国のゴードンリサーチコンファレンスや、日本気象学会などで報告した。これらの研究成果は現在、科学雑誌に投稿準備中である。またPTR-MS測定法の有効性を広く知ってもらうために、他の大気成分の測定法とともに本の一章としてまとめた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Contribution of particulate nitrate to airborne measurements of total reactive nitrogen2005

    • 著者名/発表者名
      Miyazaki, Y., N.Takegawa, M.Koike, K.Kita, et al.
    • 雑誌名

      J.Geophys.Res. 110,D15304

      ページ: doi:10.1029/20 04JD005502

  • [雑誌論文] Variability of active chlorine in the lowermost Arctic stratosphere2005

    • 著者名/発表者名
      Thornton, B.F., M.Koike, N.Takegawa, et al.
    • 雑誌名

      J.Geophys.Res. 110,D22304

      ページ: doi:10.1029/20 04JD005580

  • [図書] 「先端質量分析技術による反応性大気化学組成の測定」(気象研究ノート)のうちの「化学イオン化質量分析法による気体成分の測定:揮発性有機化合物」2005

    • 著者名/発表者名
      小池 真
    • 総ページ数
      18
    • 出版者
      日本気象学会

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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