研究課題/領域番号 |
15310010
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
小泉 博 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 教授 (50303516)
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研究分担者 |
大塚 俊之 茨城大学, 理学部, 助教授 (90272351)
鞠子 茂 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (10251018)
秋山 侃 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 教授 (10283318)
横沢 正幸 独立行政法人農業環境技術研究所, 地球環境部, 主任研究官 (80354124)
別宮 有紀子 都留文科大学, 初等教育学科, 助教授 (20326094)
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キーワード | 冷温帯落葉広葉樹林 / 森林伐採 / 土壌呼吸 / 生態系純生産量(NEP) / 根の呼吸 / 炭素シーケストレーション |
研究概要 |
平成15年度は冷温帯落葉広葉樹林において伐採が行なわれた一帯の森林生態系に注目して、伐採直後の炭素動態および収支を明らかにすることを目的とした。 本研究の調査地を含む林分は岐阜県高山市と丹生川村の境、乗鞍岳南西斜面に位置し(36°10'N,137°25'E)、岐阜大学流域圏科学研究センター高山試験地から北に約2kmにある冷温帯落葉広葉樹林の伐採跡地である。植生などが代表的と思われ、より斜面のなだらかな地点に一辺20mのコドラートを設置し、気温(高さ120cm)・地表面温(リターの直下)・地温(リターを除いた地表面からの深さ5cm)及び伐採後の樹木の成長に伴う炭素固定量と土壌からの二酸化炭素放出量(土壌呼吸量)を測定し、以下の点を明らかにした。 1.土壌呼吸速度は雪解け後徐々に増加し、7月から8月にかけて極大値に達した。7月に647.0mgCO_2m^<-2>hour^<-1>(深さ5cmでの土壌温度、28.6℃)に、8月に560.9mgCO_2m^<-2>hour^<-1>(深さ5cmでの土壌温度、22.0℃)に達した。その後減少に転じ、10月に264.6mgCO_2m^<-2>hour^<-1>(深さ5cmでの土壌温度、12.5℃)、11月に183.5mgCO_2m^<-2>hour^<-1>(深さ5cmでの土壌温度、8.6℃)にまで減少した。 2.得られた結果を用いて、本調査地における森林生態系の炭素固定・吸収能を表わす生態系純生産量(NEP)を推定したところ、萌芽による純生産量は95gCm^<-2>year^<-1>、土壌呼吸量は590gCm^<-2>year^<-1>、根の呼吸量は320gCm^<-2>year^<-1>となり、NEPは-175gCm^<-2>year^<-1>と推定され、伐採直後の森林は二酸化炭素のソースとして作用していることが明らかとなった。
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